寺尾さんに活版を教わっていた頃、その様子を数ヶ月に渡って『albus』の酒井さんが撮影されました。その後、2009年にalbusのギャラリーで写真展『言葉を組む仕事』が開かれました。「楽しそうだから、自分がやりたい」。よりは、病気で辞める相談を受けて「未来に残していく為に、自分に出来る事は何だ?」という想いからからのスタートでした。写真には戸惑いや焦燥感、妙な責任感など、その時の時間や記憶が吹き込まれていて、当事者だったその頃は気付かなかったのですが、今はこれらの写真がとても味わい深く大切なものになりました。 「撮る、残していく、未来に」。彼女が掲げるその意志に、憧れと敬意を抱きながら、「あるべき場所に、あり続ける為に」、自分に出来る事を問い続けたいと思います。
(C)sakiho sakai