ブックジャケット、再び東北へ

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繰り返しになりますが、子どもの頃に読んだ『銀河鉄道の夜』で初めて活版印刷に出会いました。そして、昨年。初めて宮沢賢治さんのふるさと、イーハトーヴ(岩手県)に行くことができました。盛岡は、「ポラーノの広場」の物語の中にある“あのイーハトーヴォのすきとおった風、 夏でも底に冷たさをもつ青いそら、うつくしい森で飾られたモリーオ市”と、その通りの町でした。今でも耳を澄ませば、町中で奏でられていた涼しげで奥ゆかしい、あの南部鉄の風鈴の音色が聞こえてきます。

さて、今年は賢治さんの没後80年、そして今月は命日(9月21日)の月でもあります。そのような折、「クラムボンは 笑ったよ、クラムボンは かぷかぷ笑ったよ」と言う台詞が印象的な『やまなし』の中に出てくる“イサド”を屋号に持つ『工房イサド』さんが、盛岡の「ひめくり」さんで展覧会を開かれることになりました。古材の額や、パン皿、昔の缶詰のラベルを貼りこんだ小引き出しやオブジェ、木片をコラージュした箱やレリーフなどが並ぶそうです。

また、期間中、賢治さんの語りの会も行われるそうです。そして、AOITSUKI PRESSでは展覧会に合わせ、「もうねろねろ。遅いぞ、あしたイサドに連れて行かんぞ。」とプレスしたブックジャケットを準備させて頂きました。和紙はいつものように、紙漉思考室さんの和紙を使用。足踏みミシンで縫製後、プレスを行い工芸的な仕上がりになっています(前田さんの和紙は東北では初お目見えではないでしょうか。東北の方、ぜひ)。『工房イサド』さんが、日記にブックジャケットのことを綴って下さっています。こうして、賢治さんや活字や本でつながっていくのは、ほんたうに幸いなことです。

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工房イサド展 もうねろねろ。遅いぞ、あしたイサドに連れて行かんぞ。

9月13日(金)~24日(火) 10:30~19:00
(19日定休、在廊予定13・14日 最終日は16:00まで)
会場・shop+space ひめくり
岩手県盛岡市紺屋町4-8 tel&fax:019-681-7475

●宮沢賢治「語りの会」
・13日〈金)19:00より 語り:柴川康子 定員:15名
参加費:700円〈お菓子付)
演目「やまなし」「雨ニモマケズ」など。〈詳しくはお問い合わせください)
●特別限定販売
・焼菓子とジャムのお店「Maison romi-unie」の「イサドセット」
・「青い月」による「物語のあるブックジャケット」

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