佐々木喜善

佐賀七山の手漉き和紙「紙漉思考室」の和紙で作った『物語のあるブックジャケット』。
服を仕立てるように、足踏みミシンを使い木綿糸で縫製。
その後、近代文学の名作から印象的な台詞の鋳造活字を拾い、一枚ずつ活版印刷機で手刷りを。

“トレレ トレレ トヒャラ トヒャラ ストトン ストトン”
佐々木喜善/聴耳草紙



柳田國男に遠野の伝承を語り、「遠野物語」の成立に深く関わった佐々木喜善。喜善は400編以上に上る昔話を収集し、日本民俗学・口承文芸に大きな業績を残します。その功績から折口信夫や金田一京助から「日本のグリム」と讃えられています。引用は、遠野物語が出版された後に出版された、「聴耳草紙」より。遠野物語のその端正な文章からこぼれ落ちた、醜さや素朴さなど、より人間らしい話が集められています。“トレレ トレレ トヒャラ トヒャラ ストトン ストトン”は、いわゆる「こぶとりじいさん」の原型、「瘤取り爺々」から天狗の囃子の様子を。


Washi book jacket with Stories | Tohoku series #2 Kizen Sasaki
Letterpress printing out quotations from masterpieces of Japanese literature.


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