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『ナガサキリンネ』が今年も始まりました。週末のクラフト・フードマーケットに先立ち、今の長崎のモノ作り、作り手などを知るいくつかの企画展が始まりました。ちなみに、全てのトークとナガサキリンネ展の入場可能なチケットを(200円)提示すると現在、開催中の「テオ・ヤンセン展」が200円引きになります。美術館さんの粋な計らいに感謝です。

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昨日はオープニングで連続トーク「いま長崎でつくること、つなぐこと」の第一回。陶磁工房一朶の中原さんの進行で、共に波佐見出身の「Pebble」の石原さん、陶芸作家の吉田さんによる「長崎でモノをつくる」が行われました。澄みきった空が茜色に、そして暗くなるにつれ浮かび上がってくるライトアップされた大浦天主堂を背景に、お二人の話は進みました。子どもの頃のこと、家族のこと、今のこと、産地のこと、これからのこと。気心の知れた人たちならともかく(旧知の仲であるお二人でさえ知らない話も!)、どんな人が来ているかもわからない、そして美術館という公の場で、お二方とも正直に誠実に話されていたのがとても印象的でした。お二人の器を普段から暮らしの中で使っていますが、より愛着が生まれました。一層大事に使っていきたいと思います。

“自分たちの暮らしを作るのは自分である”と掲げるナガサキリンネ。高名な人を呼ぶ講演会のようなものではなく、こうして同じ時代を生きる作り手の気概や技を知り、等身大の想いや悩みを共有する場。そして作り手を目指す次の世代の人たちに生の声に触れられる場ができたらと思っていて。温かな時間になりました。ありがとうございました。そして皆さん、おつかれまでした。

土曜日15時からは国指定史跡『出島』にて、「活版印刷をつなぐこと」としてトークを行います。小値賀(おぢか)島の100年続く、島の活版印刷所「晋弘舎」。その4代目、横山桃子さんを迎えます。彼女はすでに全国的ないくつかのメディアにも紹介されていますが(離島経済新聞 、朝日新聞)、長崎の人にこういう人がいるんだよと知ってもらえたらと思います。僕自身、新しい世代の活版に関わる人同士(と言いながら彼女はまだ20代!)で話ができるのでとても楽しみです。

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そのトークに先立ち、活版のワークショップ「キリシタン版を刷る」も。1590年に天正遣欧使節がヨーロッパから日本に活版印刷機を持ち帰りました。その翌年の1591年、南島原・加津佐にてイエズス会により日本初の活版印刷が行われました。以降1614年まで印刷された書物の事を「キリシタン版」と呼ばれています。今回その中から、1605年に長崎のコレジヨ(神学校)で刷られた日本初の楽譜印刷であり、二色印刷である典礼書「サカラメンタ提要」を刷ります。今回は長崎のまちを楽しむスタンプラリーならぬ、活版印刷ラリーも。長崎県美術館で音符、出島で五線譜を刷って完成です。「サカラメンタ提要」は、ほぼポストカードサイズ。ですので長崎美術館では、アルファベットの名入れも行おうと思います。とっておきのクリスマスカードにもなればと思います。

8日(土)、9日(日)は前回を上回る81組の作り手が長崎県美術館、国指定史跡「出島」にてクラフト・フードマーケットを行います。少し肌寒くなってきていますが、今の長崎を知り、そして温かな笑顔が生まれる場になるかと思います。週末の予定をまだ決められていない方はぜひ、長崎県美術館、国指定史跡「出島」へ。最新情報はfacebookで。