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前回に引き続き、Anonima Impressoriの話を。スタジオ内を案内して下さったMassimoさんは手がけたプレスの話もして下さいました。一通り終わった後、せっかくだからお土産にとたくさんのポスターを袋に詰めてくださいました。一寸迷われたので、後からメンバーから怒られていないか心配です。

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1813-2013 SALUZZO-PARMA | Della lettera di padre Rosshi a Giammbattista Bodoni,Imola 1787

まずは前述のBODONI展のデモンストレーションで50部だけ刷られたボドニーさんの記念のポスター。会場であるイモラ図書館に残るボドニーさんが47歳の頃、父に宛てた手紙を元に。多くの人が見つめる中、また気心が知れた普段のプレス機ではなく、200年前のプレス機を使ってこれほどクオリティのプレスが出来るのは本当に脱帽でした(プリンティングはVeronicaさん)。彼らは伝統を大切にしながらも遊び心も忘れません。このポスターも活字じゃないものを使って活字に見立てています。

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アメリカの作家、カート・ヴォネガットの「猫のゆりかご(Cat’s Cradle)」にインスピレーションを受けたもの。まだ未読ですが、原爆や戦争を風刺しながら、科学技術や宗教などを追求するSF小説だそうです。物語の中で水の結晶形のひとつで、室温で固体の性質を持つ「アイス・ナイン(Ice Nine)」と言う物が出てきます。Anonima impressoriは、そのアイス・ナインの性質と配列に習い、“溶ける文字”即ち、氷で活字を作りプレスを行いました。限定50枚のプレスで氷が溶ける時間経過により同じ物はありません。

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四角で形成されたハート。一見、特別なことはなさそうですが、欠けたりして使えなくなった活字を逆さにしてプレスをしています。確かに印刷面の高さは同じ。役目を終えた活字がハートに。何とも温かいなと。

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25 aprile 2013, la festa della Liberazione a Bologna

オールドタイプの大きな木活字を使ったイタリア解放記念日のポスター。1945年から2013年で68回目。踊る活字と少し深みのあるイタリアカラーが往事の喜びを感じさせます。その他にもいくつも頂きましたが長くなるのでこの辺で。活版印刷というものが希少価値や手仕事で求められる日本のそれとは違い、当たり前の風景としてまちや人々の暮らしの中にあるのが印象的でした。日本には美しい紙があります。そして美しい印刷をする職人さんもいます。イタリアの様に、日々の風景がいつか文化と呼ばれるものになるのだとこれからも信じていきたいと思います。実り多きボローニャの訪問でした。ありがとうございました。以下は最近公開されたAnonima Impressoriの様子。