もう随分と前から僕のことを頼りにしてくれた、ワークスのふくぐちさん。最近は長崎で進行中の保育園のプロジェクトで一緒に通っていて。現場監督はじめ、プロジェクトにかかわる人たちを剛柔織り交ぜながら引っ張っていく様に、「随分と成長したなあ」といつも微笑ましく見ていました。そんなふくぐちさんが結婚して京都に移るので、会えなくなることもあり、花見にかこつけてお掘まで(お堀の前に事務所を構えるワークスは桜のこの季節は、まつりが開かれるほど最高なのです)。我が子にとっても初めての花見。眼下のワークスを眺めながら、妻が作ったお弁当で、ささやかな宴を楽しみました。電気が消えていたので誰もいないねと会うことを諦めて、ほろ酔いで帰路に着いていると、ふいに後ろから「なかがわさーん」と。ふくぐちさんどころか、ワークスのみなさん勢揃いで。思いがけず会いたかった人たちに会えたのも、さくらのおかげですね。
何というか。僕のような仕事は、人に知られて、そして新しくいろんな人に出会って仕事を作っていかないといけないのかもしれません。けれども。カプローニさんも言っていましたが、創造的時間というのはやっぱり限られていて。轍というか。これまで出会ってきた人たちを、もっと喜ばせたいなあという想いがあります。あのとき、思い通りにならなかったこと。こうしたらよかったと後悔したこと。未熟で迷惑をかけたこと。今なら、自信を持って取り組めます。最近、とある取材を受けました。何年も、ずっとこころに携えている言葉があって、その言葉を話しました。「子どもにいいやんって言われるデザインをしたい」。同じくワークスのまいさんの言葉。まずはその純粋なきもちで、今、取り組んでいる保育園のプロジェクトを成功に導くこと。それが、これまで僕を信頼してくれたこと、頼ってくれたことの恩返しになりますね。本当にありがとう。どうか、お幸せに。