蝋梅の冬の中の春の香りと色が何とも心をほぐしてくれます。さて、今年は育児、家事、仕事と大きく働き方が変わった1年となりました。よく笑った一年だったと思います。重複しますが中村哲さんのペシャワール会のホームページにも掲げられている、「誰もが押し寄せる所なら誰かが行く。誰も行かない所でこそ、我々は必要とされる」。その言葉にとても共感して、独立してからは自分なりにデザインのない場所に赴いて、そのような意思を持って仕事をしてきました。そして、今年ようやくはじめて「受ける仕事(デザイン)」より「つくる仕事(プランニング)」の割合が増しました。並行して、表現(クリエイティブ)に関しても納得できるものを数多く出せ、結果が目に見える、耳に聞こえる充実した一年となりました。機会を与えて下さったこと、心より御礼申し上げます。これを機に来年からデザイナーの肩書きを外すことにしました。より「デザイン以前」に軸足を置きながら、デザインもできるプランニングディレクターとして活動していければと思います。また、しばらくホームページ経由の新規の仕事の受注も控えさせて頂こうと思います。既存のクライアントの方々にお待たせしてしまっている案件も多く、まずはこれまで出会ってきた方たちが喜んで下さるものをお届けしたいと思います。ご迷惑をおかけしますが、何卒ご理解ください。
それから。来年から木曜日をお休みにすることにしました。詳しくは追ってお伝えしますが、木曜日は妻と子どもと森へ行くことに(彼が大きくなったとき、カレンダーを見て木曜日は木に触れていたことを想い出してくれるかも)。僕と妻は創造的活動で暮らしを立てていることもあり、まちで暮らしながら、ときどき森で子育てをすることにしました。水木先生や熊楠さんの森の思想と、レッジョエミリア・アプローチのデザインをしたときに蒔かれた種子は、僕の中でやわらかく、しなやかに育っています。妻と僕、ふたりのアトリエリスタのもうひとつのアトリエは森。これから始まる森の中での芸術体験の記録も綴っていければと思います。
妻は妻で来年から単独で屋号を持って活動をはじめます(HPも製作中)。タタタタタンと、足踏みミシンの音がやさしく響きはじめました。妊娠、出産、育児を経験して作り出されるものは一層、愛情を感じれるものになっていますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それではみなさま、今年もお世話になり、本当にありがとうございました。また、このwebサイトに遊びにいらして下さりありがとうございました。みなさまにとって幸多き一年となりますように。それでは良いお年をお迎えください。