伊万里の山あいで唐津焼と自然農を営む「櫨ノ谷窯」さんからお誘いを受けて、今年の春から無農薬のお米づくりをさせて頂いてきました。土を耕して、籾を撒き、苗を植え、川から水を引き、草を刈る。季節は流れ、いよいよ稲穂垂れる実りの季節になりました。様々な生き物、風や光、鳥の鳴き声など、季節を五感で感じながら土と触れるのは何とも幸せです。同時に、いろんなアイデアも。カルチャーの語源が「耕す」と言う事も納得です。
田んぼ仕事が先だったのですが(そういう事が個人的に嬉しく)、この度、「櫨ノ谷窯」さんのギャラリーの改修や、これまで展示室だった小屋をカフェにする際のアートディレクションとデザインを行いました。そのお披露目のひとつとして、10月7日、8日、9日に唐津焼とカフェと秋の実りとして「山栗節」を開かれます。
櫨ノ谷は、唐津焼が始まった桃山時代の頃から窯煙が上がっていた場所です。先代の吉野魁さんは、古唐津の陶片を師匠に、土づくりから取り組み、唐津焼の源流を明らかにするなど、桃山時代の唐津焼の復興に尽力されてきた方。2代目の敬子さんは、先代と共に土や炎と向き合い、古唐津本来のわび味が、ようやく出せるようになってきたと仰っています。
「山栗節」では、葦葺き屋根の母屋を改修した、「gallery KAI」で櫨ノ谷窯の作品展。同時に、改修にも携わった唐津・紙漉思考室さんによる「かぜのかみ展」も。プレオープンする「cafe Reed」では自家焙煎の珈琲や、渋抹茶、スムージーなど。他にも茶室「魁」にて呈茶、地元農家や窯直営農園の自然野菜の直売、松尾優さんによる写真展「南波多のいきものたち」などを催します。唐津から伊万里方面へ車を走らせて30分ほど。妻が唐津出身と言う事もあり、普段から暮らしの中で唐津焼を使っていますが、より一層、唐津焼の魅力に惹かれています。皆さまにも手にとって頂けたら幸いです。
櫨ノ谷窯
〒848-0006
佐賀県伊万里市南波多町高瀬767番地 TEL 0955-24-2025
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