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「去年、売られていた○○、今年は持ってこられてないんですか?」、「ああ、今年は持ってきていないです。来年、持ってきますね」、「良かった。来年たのしみにしていますね」。先日の『ナガサキリンネ』で聞こえた何気ない会話。目まぐるしい早さで様々なものが消費されて行く中で、こののんびりとした時の流れは、「市」としての正しい道を歩んでいるなあと(生業の歴史にも同じようなくだりもあり)、嬉しくなりました。

まだ公式での発表はあっていませんが、前回より下回るものの、今回も1万人を超える人たちが長崎県美術館と出島に足を運んで下さいました。心より御礼申し上げます。また、個人的にも嬉しい出会いがたくさんありました。本当にありがとうございました。会場のそこかしこで生まれた、朗らかな人と人との触れ合いは層となり、会場全体をあたたかな空気で包んでいました。長崎で暮らす人たちがめぐりつながり、自分のまちをもっと好きになり、そしてより豊かな暮らしを作っていけるように。ナガサキリンネが、ますます長崎で暮らす人たちの暮らしの中の大切なものへと育っていければと願います。

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今回、これまでの企画展やワークショップに加え、同世代はもちろん、次の世代の人たちに生の声に触れられる場ができたらと思ってトークを設けました。僕のトークに関しては後日綴るとして、長崎県美術館の屋上で行われたトーク「人が集まる場をつくる」。そこには赤ちゃんから年配の方まで老若男女問わず集まった、本当に奇跡のような風景でした。長崎の空と稲佐山と長崎港に見守られて。それは未来の長崎を予感させるもので思わず泪してしまいました。

それから。一年を通して長崎を感じれるものになればと、今回カレンダーを2種類デザインしました。カレンダーの売り上げは、行政や助成金、協賛金に頼らず自立運営を目指すナガサキリンネにとって重要な運営資金になります。長崎に旅行に行かれた際はぜひに。販売店の詳細はこちらから。

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最後にちょっと個人的な事を。今年の始め、多摩美のプレデザインの授業で話をしました。ナガサキリンネの事も少し。その際、聴講して下さった神奈川の手ぬぐい作家の『ZUCU』さんが、僕の話に何かを感じて下さり、なんとマーケットに出展作家として参加して下さいました。本当にびっくりしたのと同時に、えいっと遠く九州まで来て下さった事(初めての関門海峡越えだったそうです!)、本当に嬉しかったです。知り合いもいなければ、土地とのつながりもない中で、自分を表現するというのはリスクは当然ですが、本当に勇気が必要だったことだと思います。ZUCUさんのその行動に応えることができるよう、一層、日々の仕事に励んでいきたいと思います。手ぬぐいも大事に使わせて頂きますね。雨に濡れた長崎の石畳のようです。

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