家族と暮らせない子どもたちや社会的養護の状況を、たくさんの人たちに知ってもらうことを主な目的とした広報誌「かぞく」が『SOS子どもの村JAPAN 』から創刊されました。そのアートディレクションとデザインを行いました。
今年の春頃からスタートして、編集長の田北さん(みんなで児童相談所のホームページをつくるプロジェクトも進行中です)、編集の遠藤さん、木下さん、そしてデザイナーの河村さんと、何度も何度も、相応しいと思えるものにすべく対話を重ねてきて、ようやくみなさんのお手元にお届けできる運びになりました。編集チームを始め、この本に関わった全てのおとなの、より良いものにしようと最後まで諦めない姿に(その先にはそれぞれ、さまざまな子どもへの眼差しがあり)、本当に感動しました。この仕事に関わることができて、本当に良かったです。
里親の元で育ち近頃、母になった元里子さんと、昭和48年に福岡市で初めての夜間保育所「どろんこ保育園」を開設し、現在も運営を行いながらファミリーホームも開設している里親の天久夫妻のインタビュー。福岡以外では「臨床哲学」を実践している鷲田清一さんのインタビュー。熊谷晋一郎さん、横掘昌子さんのエッセイ。貧困状態の子どもたちにご飯を提供している「要町あさやけ子ども食堂」、児童養護施設や自立援助ホームを出た人たちにアフターケアを実践している「ゆずりは」の高橋亜美さんのルポタージュ。と、様々な角度から子どもにとっての「家族」というものを見つめ、考える内容になっています。切実な子どもたちに真摯に寄り添い続けてきた人たち。その方々に丁寧に取材されて上がってきた文章を初めて読んだとき、そのやさしさ、そのつよさに触れ、込み上げてくるものがありました。
一冊500円(税込)で、こちらから購入できますので、ぜひ。たくさんの人たちに読んで頂ければと思います。また創刊イベントも予定しています。近々、お伝えしますね。