『学研ホールディングス』さんから、とあるデザインの相談があったのは去年の今頃。びっくりしたのと同時に、そのときはどうしてもリサーチの時間が取れなかったのですが、今回、新規事業のカタログのプランニングとアートディレクションを行いました。

学研は福岡とも縁深い企業。創業者の古岡秀人氏は、筑豊の炭鉱夫の息子として育ちました。その父を5歳の頃、炭鉱事故で亡くし赤貧の中、母子家庭で育ちます(その経験から無返済の奨学金制度も)。戦後の復興には「まなび」が大切だとして昭和21年「学習研究社」を創業し、現在に至ります。「まなび」を基軸とする書籍を原点に、様々な分野で出版事業を展開しているのはご存知の通りです。その学研は「出版社」から、「まなびコンテンツ創造企業」へと移り変わっていく途上です。このカタログは、学研の膨大なアーカイブとコンテンツを活かした取り組みのひとつである、プロパティライセンスを伝えるものです。学研と他企業。手と手を取り合い、新しいまなびを結んでいくので、「あやとり」をモチーフにデザインしました。新しい出会いから、さまざまな形が生まれていけばと願っています。

また、学研は幼稚園や保育園、こども園の教材や備品の市場シェアNO.1の企業でもあります。自身のこれまでの経験を活かしながら、保育の現場や子どもたちが過ごす時間に、新しいデザインを提案していければと考えています。