季節にふさわしい、前向きな言葉を選んで
便せんを作りました。
PARTERE
イタリア語で「 出発する 」という言葉です。
自分の道を自分らしく歩けたらいいですね。
独りで歩く道程が
寂しいものだと感じたとき
ぬくもりをもつ生きものたちは
互いに手をとりはじめる
望みが人の姓なら
行くてには荒波が来ようとも
眼差しを遠くまでもつことが
喜び光 生きること
出逢いが人を変えるのなら
まだ見ぬあなたを待ちましょう
身体を流れる水たちは
自分に嘘をつけないから
目に見えるものはいずれ消え失せても
心に響くものは残っていく
わけてください あなたの気持ちを
今 悲しいのなら ここで涙を流し
今 嬉しいのなら 笑ってしまおう
タテタカコさんの「 道程 」より
それぞれが目には見えない地図を持って
人生という旅をしている途中でしょう。
“ Il grande viaggio della vita ”
「 人生という素晴らしい旅 」
嬉しいときも、落ち込んだときも
この言葉はわたしを前向きにしてくれます。
( ブログのタイトルもこの言葉にしようかと迷いました。)
活版印刷の象徴でもある活字を
わたしなりに大切に扱っていこうと思います。
まだまだ経験も浅いわたしに合うサイズから始めます。
初めに組む活字は、いろいろと考えても
この言葉以外にはありませんでした。
今年はナガサキリンネに出展者として参加することになりました。
“ めぐり つながる わたしのくらし ”
ナガサキリンネの大切な言葉です。
昨年は活版印刷によるワークショップを通して
長崎の今!をからだじゅうで感じて、とても感動しました。
今思い返しても興奮します。
福岡からもたくさんの人たちが足を運んでくださって
とてもいい笑顔で楽しまれていました。
福岡とは少しちがった風が吹きました。
いつかを思い出す懐かしい風、新鮮な風。
今年はどんな風や空気に出会うだろう。
わたしもとても楽しみです。
青い月で作った布物や紙ものも
ぜひ見に来て下さい☆。
2012年のスタートとともに約2000枚の賢治さんの台詞が入った
ブックジャケットの製作をはじめました。
和紙の断裁から始まり、折り、縫い、玉どめ、プレス、検品、それから梱包。
すべて手作業です。
今はその梱包作業をしています。
この日本社会の将来がどうなっていくのかこわい、正直な気持ちです。
こんな時代になるなんて、二十歳の頃は考えてもいませんでした。
賢治さんの言葉にふれっぱなしのこの一年、
この言葉がなければ、
明日に希望を持ち、誰と笑顔で暮らせるのだろう。
そう思います。
自分にとって、大好きな相手にとって、まわりのみんなにとって
世界じゅうの人々にとって、動物や植物にとって、光や水である自然にとって、
それから、続いていく次の世代にとって、何が大切かと繰り返し繰り返し考えます。
学生のみなさんに今この言葉の入ったブックジャケットを手渡せることは
わたしの小さな幸せです。
未来へ