旅鳥、留鳥

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秋が深まるにつれ、何処かソワソワとしていました。
それは桜を待つ心境に似ているかもしれません。
旅鳥である渡り鳥たちが越冬の為に福岡にやってきます。
きっと、年中移動することのない留鳥たちも、ソワソワしているかもなんて思ったりします。
留鳥の中ではやっぱりダイサギが優雅だと思いますが、自分はアオサギが好きです。
いつも思慮深げにひとりで、頭部にある青いラインはまるで寝癖のようで、
そして獲物を狙う姿もどこか失敗しような気配が漂っていて、
でも翼を広げると本当に美しいのです。

旅鳥である渡り鳥の多くはシベリアやアラスカで繁殖をします。
過酷な環境を越えてきたと思うとそれだけで、胸を打つものがります。
そしてまた帰るため、飛来のエネルギー(貝類や小動物など)を干潟などで穫っています。
つかの間の安息。しっかりと栄養を補給してほしいと思います。

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webサイト、リニューアル

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ようやくわたしたちの「これまでの仕事」のwebサイトのリニューアルができました。なかなか二人で写った写真がなかったので、これを機会に撮影しました。6Dのリモート撮影なので、手元にiPhoneが映っていて、ぎこちないのはご了承ください…。

さて、先日、albusで行われた「まちづくりスクール」に行ってきました(次回はデザイナーじゃない人たちのためのデザイン講座だそうです。ぜひ!)。社会における自分のデザインの視点を再確認できたのと、まだまだやるべきことはたくさんあるなあと感じた二時間でした。冒頭、是枝監督の「誰も知らない」が流されました。そう、今でもあの映画館を出た後の空の色を覚えています。空がこんなにも青いのに、どうして社会は曇っているのだろう。と、とても心揺さぶられました。

星野道夫さんの好きな言葉があります。

「いつかある人にこんなことを聞かれたことがあるんだ。

たとえばこんな星空や泣けてくるような夕陽を一人で見ていたとするだろう。

もし愛する人がいたら、その美しさやその時の気持ちをどう伝えるかって。」

「写真を撮るか、もし絵がうまかったらキャンバスに描いて見せるか、

いや、やっぱり言葉で伝えたらいいのかな」

「その人はこう言ったんだ。自分が変わってゆくことだって…。

その夕陽を見て、感動して、自分が変わってゆくことだって思うって。」

自分にとって「誰も知らない」はまさに“夕陽”でした。それまで、デザインというものが消費をベースとした賑やかなものであったり、お洒落なものであったりと、そうぼんやりと思っていて何処か違和感と居心地の悪さを感じていました。ですが、そうか、デザインというものは、今、“デザイン”というものから最も遠い場所にいる人や動物にこそ必要なんだと腑に落ちました。消費よりも深く、生活よりも近く、そして生きていくということの中心にこそあるべきものだ、と。それからさまざまな場所に足を運びました。言わずもがなそこに打算はなく、また予算もありませんでした。ですが「“知る”ことは“感じる”ことの半分も重要ではない」と、レイチェル・カーソンも言う様に、あきらかにそういった場所にはデザインが必要でした。たくさん失敗も悔しい思いもしてきましたが、今は直感と信念を大事にしてきて良かったなと心からそう思っています。包含性という言葉がありますが、子どもも大人も誰も社会の中で見落とされることなく、フェアなスタートラインに立って歩んでいってほしいと願っています。幸せを感じながら生きて行ける、そういう社会であって欲しいと切に願っています。

もし、これまでの仕事で琴線に触れるものがありましたら、遠慮なくご連絡ください。困難な場所、本当にデザインが必要な場所に予算がないのは重々承知しています。自分の軸足は自己評価よりも社会にあります。デザイン以前から予算や仕事を“立たてていく”ことも自分の考えるデザイン像でもあります。微力ながら、感情や状況、社会がより良い方へ変わって行くよう、これからも励んで参りたいと思います。今後ともどうぞよろしくおねがいいたします。

青い月 http://aoi-tsuki.com