足りない活字のためのことば

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岩手、陸前高田に行ってきました。今回もまた珍道中だったのですが、その報告は後日行うとして、ランチを食べた陸前高田のカフェレストランでとあるチラシをふと手にし、嬉しくなり、込み上げてくるものがあったので、そのお知らせを。銅版画家であり、レタープレスプリンターでもある溝上幾久子さんという方がいます。僕は彼女のディキンソンの詩集をプレスするセンスや、活版というものを触媒(もしくは装置)として過去や未来、まちや人々とつながっていく活版との向き合い方にとてもシンパシーを感じています。活版(レタープレス)は印刷物である前に、想いを携え、風に乗り、時間を越えて、何処までも届く手紙のような存在だという事を僕も知っています。 つづきを読む

本木活字と筑紫新聞

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活版を受け継いだとき、その技術や道具を自分だけのものとするのではなく、まちにどう活かすか、未来にどう残すかを考えました。1590年頃に長崎で始まった活版印刷。なので、そのまちにあるのが相応しいと50年先ぐらいをイメージしながら、ワークショップやトーク、小学校に出張授業を行ったり、美術館や行政などに企画を持ち込み続けています。 つづきを読む

行け。勇んで。小さき者よ

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岩手花巻の成島和紙で、ブックジャケットをつくりました。言葉は有島武郎の『小さき者へ』より結びの言葉を。“前途は遠い。そして暗い。然し恐れてはならぬ。恐れない者の前に道は開ける。行け。勇んで。小さき者よ。”

これは困難が待ち受ける我が子に有島さんが託した言葉です。震災後すぐにこの言葉を選びプレスをしましたが、何か一歩踏み出そうとしている人の背中も押してくれるような気もしていて、いま改めて。

物語のあるブックジャケット(有島武郎)|http://aoi-tsuki.com/mercato/?p=389

イニシャル入れ便箋「よこの日、たての日」

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わたしたち『青い月』はこれまでも、活版印刷というものが消費や付加価値の為ではなく暮らしに溶け込む身近なものとして、名入れ便箋のワークショップなどを繰り返し行ってきました。ですが、それは非日常的なことで日常的に何かできないかと考え、まずは手製の便箋と封筒に、オーダーでイニシャルの活字をプレスすることから始めることにしました。 つづきを読む

Anonima Impressori.2

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前回に引き続き、Anonima Impressori(facebook)の話を。スタジオ内を案内して下さったMassimoさんは手がけたプレスの話もして下さいました。一通り終わった後、せっかくだからお土産にとたくさんのポスターを袋に詰めてくださいました。一寸迷われたので、後からメンバーから怒られていないか心配です。 つづきを読む