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今号も福岡市文化芸術振興財団の機関誌「wa」のデザインしました。表紙はアーティストで、ものづくり作家の『oshow』さん。かれこれ10年来の友人で、ずっと応援し続けていますが、最近は全国区になってきて活躍を見守る近所のおじさんのようです。もう何年も前になりますが、もっとたくさんの人が美術館に足を運んでほしい、そしてまた美術館もまちの中にとけ込んでほしいと福岡県博物館協議会が発行する「福岡県ミュージアムガイド」をデザインしたとき(無意識でしたが同じ配色に)、oshowさんに絵を描いてもらいました。それ以来でしたが、こうしてまた公的機関の発行物で多くの人たちが彼女の絵に会えること、とても嬉しく思っています。ちなみに、4/19日から〜29日までは『TERCEIRO』さんにて、5/2〜14日までは名古屋の『モノコト』さんにて、5/21-6/8日は、箱崎の『ソワレ』さんにて個展を行われますので興味を持たれた方はぜひに。

エッセイは、水中表現家の二木あいさん。フリーダイビング(素潜り)で、水中の美しく楽しい世界を表現されています。魚たちとの距離感に驚きを隠せません。アーティストに会いたいは、現代音頭表現家の山中カメラさん。まちの人々との関わりから生み出すオリジナルの音頭、Bon Dance。そのプロセスもとても多様で一度、踊ってみたいなあと思います。10月に大分県国東で開催される「くにさき時祭」で大ボンダンス大会が開かれるそうです。他には、はこばなしは、『福岡市民会館』、2年間続き今号で最終回となる『せんだいメディアテーク』の甲斐さんの報告など盛りだくさんです。市内公共施設をはじめ、ジュンク堂書店、ALBUSさんや珈琲美美さんなどでも手にすることができますので、ぜひに。

資料は現場に

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瞬きをする間に、月日が移ろっているようです。それだけ充実した日々を過ごせているのだと思います。今月は自転車で市内、市近郊を行ったり来たりで日々、平均25kmぐらいの距離を。おかげでいつもぐっすり眠って鋭気を養えています。今年はいつものデザインワークに加え、例年になく行政やNPOなどの来年度の事業の提案が重なっています。プランナー・デザイナーと名乗りながらも、安寧な場所から紡ぐ言葉にはあまり説得力がないことを痛感しています。生きづらさを感じる人たちがなお、生きづらさを感じていることを知りながらも、一歩、踏み込めない自分がいました。サッカー実況の元NHKの山本アナが「資料は現場に落ちています」と仰っていましたが、自分は現場での経験、体験が圧倒的に少ないことを感じ、いくつかの現場に関わり始めました。そしてこれからもより積極的に柔軟に現場に関わっていきたいと思います(遠慮なく声をかけてください)。永年、現場で愛情を持って誠実に関わってきた方々との恊働はとてもエキサイティングなものです。自分の小ささを感じることができ、またこれまで見えなかったものが見え始めて、改めて尊敬の念を抱いています。居心地が良い場所に身を置くのも、厳しい環境に身を置くのも選ぶのは自分。見えないところ、見えにくいところをちゃんと、デザインできるデザイナーでありたいと思います。

花だより、虫だより

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年度末はいつも慌ただしくも、もっともアイデアを求められる季節でもあり、充実感に満たされています。他の誰でもなく自分を必要としてくれるのは何よりのモチベーションです。長く感じた冬も少しづつ終わりが近づいて来ていることも感じます(と言いつつ今朝は寒かったですが)。春を告げる花々も目立ってきました。随分と乳白色の空の日が続きましたが、久しぶりの青空に白木蓮が映えていました。まるで、大勢の文鳥が羽根休めをしているようでした。ミモザ。子どもの頃は勝手にその見た目から“花粉症の花”と名付けて近づかないようにしていました。それが春を知らせる花と知ったのは随分後のことです。ひな祭りの日には、雛あられか、菱餅かと迷いましたが、梅にしました(桃がなかったので)。翌朝、キッチンが清々しい香りだったので、団子より花にして良かったと。お堀の土手にはたんぽぽ。しばし腰をおろし、花弁を詳しく見ようと顔を近づけてみると、てんとう虫が。気付けば冬ごもりをしていた虫たちが起き出す二十四節気のひとつ「啓蟄」。週末は、ヤマアカガエルの卵を見つけることができるかも。