身をゆだねて

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今回の東北行は、前回よりも早めのフライトだったので、余裕を持って自宅を出て空港で珈琲を飲んだりして、のんびりしていました。そしてそろそろと、手荷物検査に行くと、うっかりターミナルを勘違いしていて思いっきりダッシュをすることに。搭乗口に着き、何とか間に合ったと思っていたら今後は仙台空港が霧の為、山形空港か福岡空港に引き返す可能性がありますと伝えられ、でも乗らない訳にはいかず祈る様な気持ちで改札口を通りました。 つづきを読む

漁師と海猫

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今回は岩手陸前高田の隣町、宮城気仙沼に宿をとりました。薄明かりの夜明け前、気仙沼の港を歩きました。生け垣に植えられた花を探しました。沿岸部に咲く花は、内陸部に咲くそれと違って、海とつながっていることを以前、耳にしました。その季節ごとに咲き出す花で、採れる魚がわかる花暦の役割もあるそうです。多くの漁師さんが船を失くしたことも聞きました。花を植えるという行為は、また再び漁に出るぞという漁師さんの強い意志の表れでもあると。 つづきを読む

陸前高田へ

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陸前高田から帰ってきました。“3.11をきっかけに”と言う言葉は、ここ福岡で今も良く耳にします。ですが、あの震災は“東北の人たち”ではなく、同じ時代を生きる“わたしたち”だったはずですが、福岡で聞こえる“3.11をきっかけに”の言葉の中に、東北で暮らす人たちを見つけることは難しく、触れたいけれども触れることの出来ないもどかしさようなものを感じていました。それは2年前訪れた岩手の内陸地でさえ感じた事なので仕方がない事なのかもしれません。 つづきを読む

東北へ

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先日、地元学を提唱する民俗研究家、結城登美雄さんの話を聞きに行きました。結城さんは仙台在住で震災後、三陸沿岸部の400ほどの村を再訪し、その土地で生きる人たちの心に向き合い続けてこられました。3.11に留まらずそれ以前の災害も含め、海辺で、自然とともに生きる人々の仕事と暮らしを語ってくださいました。その中で今の現場なき外部的な復興論に違和感を感じられ、その訳も伝えて下さいました。被災地の人たちが本当に望むもの。そこで生きる人たちの営みを支えるもの。しっかりと心に留めておきたいと思います。 つづきを読む

銀河鉄道


「銀河鉄道の夜」のモデルとなった釜石線で花巻から遠野へ。「銀河ステーション、銀河ステーション」と、どこからかふしぎな声が、聞こえそうな土沢駅を抜けると、一気に開けた場所に出る。“「ああ、りんどうの花が咲いている。もうすっかり秋だねえ。」カムパネルラが、窓の外を指さして云いました”と、好きなシーンがあるのだけど、もうひと月くらい後であれば、あたりはりんどうの花で満開なんだろうかと、少しセンチメンタルになった。森深い中を走る列車は少しづつ勾配が上がっていき、そのまま銀河へと連れていってくれるんじゃないかと思ったのも束の間、窓の外には大小様々な鎮守の木立や、社、鳥居が目立ち始める。と、同時に列車の中では、年配の方々の曲家や民話などの会話が聞こえ始めた。そう、いよいよ遠野に来たのだ。