新月から新月へ

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新月で幕を開けた2014年最初の一ヶ月が新月で閉じます。ひと月に2度新月が訪れるのは何とも不思議な気持ちです。ズシンと胸にきた先週末の出会いが、少しづつ身体中に巡っていることも感じます。普段からほわんとしていているとよく言われますが、よりほわんとしているのを感じます。雲の上を歩いているようです。また、子どもの頃の自分が聞いたら泣いて喜ぶような出来事もありました(実際、泪してしまいました)。時が経ち、いつかふと想い出す様な印象的な1月になりました。

変わらず日々はいつもの繰り返し。自転車に乗って、アイデアを考えて、誰かの事を想って、誰かに会って、会話して、悩んで、手を動かして。昨日も今日も明日も。あるひとつの打ち合わせが終わった後、ポツリと佇む青サギを見かけたので岸辺に自転車を置き、腰をかけて夕暮れのひとときを共にのんびりと過ごしました。刻一刻と変わっていくこの美しい時間を、青サギとふたりだけで独占しているような少し贅沢な気持ちに。ありがとう。おかげで良い夕べが過ごせました。

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カモメとムース

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耳に届いたいつもと違う鳴き声。窓の外に目をやると、いつもは海鵜とヒドリガモが陣取る一帯に、ユリカモメの群れがいました。冬の訪れを知らせる第一陣の到着です。おつかれさまでした、おかえりなさい。ユリカモメは福岡市の鳥でもあり、とても人に慣れています。望遠レンズが欲しいなと思っている僕の心を見透かすように、随分と近寄ってきました。鷺と見間違えそうな大きなカモメは、オオセグロカモメ。黄色いくちばしの先のちょっとだけの口紅が目印。長旅の疲れか羽根を休めて波にその身を委ねてぷかぷか。まるでゼンマイ仕掛けのような動きで何とも滑稽でした。

さて、毎日楽しみにしている「どうぶつのくに」と言うサイトでおよそ2年ぶりに星野直子さんの記事の更新がありました。直子さんはご存知、星野道夫さんの奥様。星野さんが見た景色に直子さんの言葉が重なると、またこれまでとは違う世界が広がります。今、この瞬間もムースが大きな角をつき合わせていると思うと、言葉には出来ないけれど、とてもポジティブな力が涌いてきます。

いろはもみじ

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ぽつりと立つ、いろはもみじ。下にはベンチが置いてあって、色づいた頃、この木の下で読書をしたらさぞ心地よいだろうと楽しみにしていました。でも、ほんの一週間、足が遠のいたら散ってしまっていました。名残惜しさを感じつつ、せっかくなので腰をかけ、しばし思案にふけりました。足下にはまるで誰かが配置したように、いくつかの葉っぱが。無作為の成せる美しさに魅了されました。冬の気配に気持ちが高まり、秋の轍には気持ち引っ張られて。なんとも可笑しなものです。

“無窮の彼方へ流れゆく時を、めぐる季節で確かに感じることができる。自然とは何と粋な計らいをするのだろうと思う。一年に一度、名残り惜しく過ぎゆくものに、この世で何度めぐり合えるのか。その回数を数えるほど、人の一生の短さを知ることはないのかもしれない”星野道夫

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