海辺の鳥たち

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近くの水辺でカモメたちが子育て真っ最中。大きさは成鳥と変わらない子カモメは、羽根はまだ茶色です。食事の仕方や飛び方を親鳥から繰り返し教えてもらっています。風の捕まえ方もまだおぼつかず、上空に上がっては風に煽られ体制を崩しながら急降下し、水面ぎりぎりで何とか着水。けれども、しばらく眺めていると子カモメたちにも個性があって、親鳥に見習う者、群れに着いていく者、そして、いろいろと試しながら一羽で自由に飛ぶ者などとても個性的。そんなカモメを眺めていると、ジョナサン・リヴィングストンを思い出しました。

“聞いてください、みなさん!生きることの意味や、生活のもっと高い目的を発見してそれを行う、そのようなカモメこそ最も責任感の強いカモメじゃありませんか?千年もの間、われわれは魚の頭を追いかけ回して暮らしてきた。しかし、いまやわれわれは生きる目的を持つにいたったのです。学ぶこと、発見すること、そして自由になることがそれだ!”

なんて、ジョナサンの宣言はこんな場面で行われたのかな、と。

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潮が引けば海鵜(うみう)がつがいで漁を。潜ってしばらく、顔を上げると口元にはボラの稚魚。ほんと、上手だなあと感心ていると、またすぐに水中へ。首を前後にくねらせ飄々と泳ぐ姿や、そうして濡れた羽根を前後に大きく振って乾かす姿が何とも愛らしいです。日が昇る前には「ギャッ、ギャッ」とアオサギたちの鳴き声。最近は鳴き方で鷺が今どういう状態かわかってきました。夕暮れ時には巣に帰る鴨たちの群れ。連日の大雨で心配だった子ガモがこちらの思惑など気にも留めず思いっきり元気だったり。海辺で暮らすとこういう季節の感じ方もあるのかと、新しく気づいています。望遠レンズでより表情を眺めてみたいものです。

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レイチェル・カーソン著「海辺|生命のふるさと」のまえがきにはこんな一文が。

“海辺は、寄せては返す波のように立ち戻る私たちを魅了する。そこは、私たちの遠い祖先の誕生した場所なのである。潮の干満と波が回帰するリズムと、波打ち際の様々な生物には、動きと変化、そして美しさが溢れている。海辺にはまた、そこに秘められた意味と重要性がもたらす、より深い魅力が存在している”

よりミクロな視点でも海辺を観察したいと思います。