東北へ

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先日、地元学を提唱する民俗研究家、結城登美雄さんの話を聞きに行きました。結城さんは仙台在住で震災後、三陸沿岸部の400ほどの村を再訪し、その土地で生きる人たちの心に向き合い続けてこられました。3.11に留まらずそれ以前の災害も含め、海辺で、自然とともに生きる人々の仕事と暮らしを語ってくださいました。その中で今の現場なき外部的な復興論に違和感を感じられ、その訳も伝えて下さいました。被災地の人たちが本当に望むもの。そこで生きる人たちの営みを支えるもの。しっかりと心に留めておきたいと思います。

さて、そんな中、2年ぶりに東北に行くことになりました。津波で岩手で最も多くの人たちが亡くなった陸前高田。そこで仕事をつくり、出会いを増やし、良い社会資本を残すための宿泊業の形をした滞在拠点が今秋のオープンに向けて現在工事中です。その陸前高田の新たなまちづくりのシンボルとなる場所にデザイナーとして関わることに。それほどの大任、そして遠く離れた九州で暮らす僕で良いのだろうかと思う気持ちは正直ありますが、声をかけて頂いた期待に全力で応えればと思っております。

「忘れないでほしいではなく、伝えたいことがある」と、当プロジェクトに関わっている方の言葉が胸を打ちます。ふるさとで今を生きる人たちの心に寄り添い、そして未来を生きる子どもたちに想いを馳せ、少しでも、少しでも力になれればと思っております。では、行って参ります。

写真は「奇跡の一本松だけ見ずに、まちにも足を運んでほしい」と地元の大学生たちが作った「たかたび」。福岡では明治通りの「みちのく夢プラザ」で入手することができます。