銀河鉄道


「銀河鉄道の夜」のモデルとなった釜石線で花巻から遠野へ。「銀河ステーション、銀河ステーション」と、どこからかふしぎな声が、聞こえそうな土沢駅を抜けると、一気に開けた場所に出る。“「ああ、りんどうの花が咲いている。もうすっかり秋だねえ。」カムパネルラが、窓の外を指さして云いました”と、好きなシーンがあるのだけど、もうひと月くらい後であれば、あたりはりんどうの花で満開なんだろうかと、少しセンチメンタルになった。森深い中を走る列車は少しづつ勾配が上がっていき、そのまま銀河へと連れていってくれるんじゃないかと思ったのも束の間、窓の外には大小様々な鎮守の木立や、社、鳥居が目立ち始める。と、同時に列車の中では、年配の方々の曲家や民話などの会話が聞こえ始めた。そう、いよいよ遠野に来たのだ。