いってらっしゃい

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ここ数年の元日はまだ陽も登らぬ中、妻と自転車で福岡空港まで行き警備員さんに送迎デッキを開けてもらい、誰か知り合いが乗っている訳でもないのに、その年の初フライトを見送っていました。今年はせわしい暮れを過ごしたこともあり、ゆっくりと過ごしました。けれども、おのずと気持ちが向いて空港まで。

整備を終えた整備士さんが、手を振り深々と頭を下げ、旅立つ飛行機を見送る瞬間が好きです。それはまるで協奏曲を弾き終えお辞儀をするピアニストのようで、万感の拍手を贈りたくなります。柳田國男のどの本に書いていたかは忘れてしまいましたが、「いってらっしゃい」には、“行って、帰ってらっしゃい。そしてまた会いましょう”という意味があり、手を左右に振る行為は、お祓いと同じで手を振る事で旅立つ人の無事を祈ったと言います。そう想うと整備士さんの“いってらっしゃい”はもちろん、日本中で毎朝生まれる“いってらっしゃい”も、とても尊いものなんだと感じます。

デザインで、なにを?

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1月25日に東京・上野毛の多摩美で行われる公開授業「プレデザイン」で、Living Worldの西村佳哲さんと、エフスタイルの星野若菜さん、五十嵐恵美さんとお話をすることになりました。「デザインで、なにを?」と言う題でエフスタイルのおふたりと、わたしが、「どんなふうに自分の仕事を育ててきたか」、「その中でなにを大切にしてきたのか(いるのか)」という話と、西村さんによる公開インタビュー(ドキドキです)、居合わせたみなさんとのやりとりを交えながらの6時間。美大や、デザイン専門学校で学んでいる学生さんに限らず、働いている方も高校生もどなたでも参加は自由だそうです(申込・参加費不要)。

昨年、九大の田北さんのご紹介で、西村さんがアトリエを訪ねてくださいました。たりほさんと、妻と4人で長い時間、お話しました。たくさんの失敗を重ねながら、それでも二人三脚で地道に仕事に励んできたわたしたちにとって、その時間は本当にありがたく、かけがえのないものとなりました。

一貫してデザインそのものよりも、その前やその後に関心が強いこともあり、またエフスタイルのお二人の活動にもとても感銘を受けており、「プレデザイン」の授業はぜひ、自分も受けてみたいと思います。どんな時間になるかとても楽しみです。興味を持たれた方はぜひ。

プレデザイン・公開授業「デザインで、なにを?」 http://www.livingworld.net/140125tamabi/

ホームページリニューアル

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東長寺、円覚寺、聖福寺、順心寺、承天寺と、お寺巡りをしました。博多の寺町は喧騒もなくいつも清々しく、朗らかな気持ちになります。お正月の空気は更に、気持ちがよかったです。歩きながら妻と今年のいろいろの計画も立てました。

その計画のひとつ、後回し、後回しになっていた、わたしたちのホームページをようやくリニューアルすることができました。すべてではありませんが、おおよその仕事はアップすることができました。デザインは、デザインから遠い場所にいるひとたちにこそ、必要なんじゃないか。そんなことをよく妻と話します。わたしたちにできること、わたしたちだからできることを、これからもコツコツと地道に励んでいきたいと思います。

青い月| http://aoi-tsuki.com/

2014 元旦

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新年のご挨拶を申し上げます。

晦日は幼馴染み宅に集い、おじさんの打ち立ての蕎麦と日本酒に舌鼓を打ちました。年ごとに竹馬の友たちの妻が増え、そして子どもたちと家族が増えていき、ひとつのテーブルを囲みながら、一年間の労をねぎらいあい、そして来年の健闘を願い合う。その賑やかな時間はとてもありがたく幸せなことで、また一年がんばろうと思えました。

さて、今年の我が家のおせち料理。いつものように妻は、高価な食材を使うこともなく、手間ひまかけて料理を楽しんでいました。今年はいつもと違い、てん菜糖で。いつもより味に深みが増し、お酒もすすみました。くわいの芽を持ち、口に運ぼうとすると妻が「あー、身から食べないっ。芽から!」と叱咤され持ち直して、芽から食べました。“芽が出る”という意味があるそうで、さすがに今年は芽を出さないとね、と初笑いでした。その他にも見通しが良いレンコン、豆に働く黒豆、お金が貯まるかしわの文銭煮、そして夫婦共に腰が曲がるまで寄り添う海老など。本当に先人たちはすごいなあと感謝し、一つひとつ深く味わいながら、そして家族や友人の健康を願いながら、日本の元旦をゆっくりと過ごしました。

皆様の健康とご多幸を心よりお祈りいたします。本年もどうぞ、よろしくおねがいいたします。