LGBTと多様性

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生きづらさを感じるひとたちが、幸せを感じれるためのデザインとは?が、ずっと自分のテーマです。ここ最近は、被虐待児や障がいのある人たちだけではなく、シングルマザー、DV性暴力被害者、刑余者、セクシャルマイノリティの人たちなど、社会や地域や家族などからこぼれ落ちて(落とされて)しまった人たちにも関心を持ち、関わりはじめました。社会的課題と言うとちょっと掴みどころがないのですが、目の前の人達ひとりひとりと向き合うことで、とても具体的なものとなっています。生きづらさを抱えた人たちに、社会参加や経済的自立への機会を創出することで、社会全体をより豊かなものにしていこうと言う、社会的包摂(ソーシャルインクルージョン)。デザインで何ができるだろうかといろいろと思案が巡り始めてます。

LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル/両性愛者、トランスジェンダー/性同一性障害)のことについては、妻ともよく話すようになりました。多様性を考える意味でもLGBTのことをもっと知っていこうと思います。と、そんな今日、知ったニュース。性同一性障害で男性から性別変更した大阪府の30代女性が結婚後、里親として児童養護施設から引き取った男児との特別養子縁組を申し立て、大阪家裁に「母親」と認められたそうです(おそらく日本初)。日本に於いて、LGBTの人たちも子どもが持てる可能性が広がるというとても大きなニュースだと感じました(言わずもがな、子ども側の視点も忘れずに)。性同一性障害のある人の特別養子縁組については「健全な親子関係が営めるか疑問」との声があるそうですが、性同一性障害でない同性の夫婦でも養子との親子関係は育める訳ですから、むしろ周囲の理解の方が大事なのかなと感じます。

それからすこし遡り、先日のソチオリンピックは世界的にLGBTのより一層の理解が広まり深まる大きなうねりのようなものを感じました。同時期のバレンタインの日にカナダの俳優エレン・ペイジが自分が同性愛者であることのカムアウトを行いました。とても揺さぶられました。ふるえる声、無意識に動く右手。彼女の勇気に泪が出ました。後半部分のテキストを以下に。

ここにいるのは、他人に対して優しくすることを心がけるだけで世界はもっと良くなるというシンプルな事実をモチベーションとしている方々だと思います。私たちの違いのために、お互いを攻撃するのではなく、5分間だけでも、お互いの美しさを理解すること。それは決して難しいことではないはずです。それがほんとうにいちばん簡単でより良い生きるための方法なのです。そして最終的にはそれが命を救うのです。

その反面、それは全く簡単なことではありません。最も難しいことです。他人を愛することは自分自身を愛し、自分自身を受け入れることから始まるからです。その苦しみと闘っていることを知っています。私はあなたがたの強さと支援に頼っています。

今日ここにきたのは、私がゲイだからです。私でもきっと、他人をより希望に満ちた時間のために助けるための力になれると思ったから。いずれにしても、私にとって、個人的な義務と社会的責任を感じています。

また私は、自分のためにこの告白をしました。私はゲイであることを隠すのに疲れましたし、嘘をつくのにも疲れました。明らかになることが怖くて、何年も苦しみました。心も精神的健康も私の人間関係も苦しみました。そして私は今日あなたがたとここに、すべての痛みの向こう側に、立っています。確かに私は若いです。しかし、愛と美しさと喜びと、そして苦しみまでもを、人間として与え授かることが、もっとも素晴らしい贈りものであることを学びました。そして私たちは十分に、そして同じように、恥じることなくそして妥協することなく、愛を体験するに値するのです。

多くの子供が暴力で苦しんでいます。あまりに多くのドロップアウトした人がいて、あまりに多くの虐待が起こり、あまりに多くのホームレスがいて、あまりに多くの自殺が起きています。あなたがたはそれを変えることができるのです、そして現在も変えています。

私がほんとうに言いたいことは、この5分で言うことができました。私を奮起させてくれて、そして勇気を与えてくれてありがとう。そして私のような人々のために世界を変えてください。

ハッピー・バレンタイン、愛しています。