想いが原点

「手の間」に僕らのことが掲載された。しかも巻頭特集。恐れ多くて、本当に身が引き締まる想い。正直、僕らで良かったのだろうか、と今でも。でも、「想いが原点」というテーマに載せて頂いたのは、若輩者ながら、本当に嬉しい。失敗に失敗を重ね、これからも失敗を重ね、空回りもするだろうけども、「想い」だけは大切にしていきたい。

今回、記事を書いて下さった正井さんには心から御礼を言いたい。4年ほど、ずっと追っかけて下さった。迷いや戸惑い、そして、ためらい。それらをこちらから話すこともなく察し、そっと寄添い続けて下さった。初校はもっと熱の籠ったものだったと聞く。自分のことのように思って下さっているのが、何よりうれしい。そして、その想いがどれほど、僕にとって心強かったことか。したためられた手紙に何度励まされたことだろう。それから、今回、編集長である田中さんからも本物のプロの仕事というのを見せて下さった。簡単に“もの”が生まれていく中で、改めて“立たせて行く”ということと、“伝える”ということへの、魂と真髄を見させて頂いた。糧にしたい。

紙面には紙漉思考室さんの和紙ができる工程や原料の詳しい話も。前田さんから和紙の話を聞いていて、わかっていたつもりだが、やはりまるでわかっていなかった。自分の教科書にもしたい。田中さんから嬉しい誘いがあり、9月の初めに新しくなった手の間のギャラリーで、青い月と紙漉思考室の仕事展をすることとなった。めぐりあわせと導きに、心から、心から、感謝を。