フィンランドのくらしとデザイン

レセプションへの招待を頂き、ナガサキリンネのスタッフと一緒に、長崎県美術館の企画展「フィンランドのくらしとデザイン」に行ってきました。導入は静かで深い湖を思わせる濃い青緑の空間に、日本画を感じさせる幽玄な木立の絵画が並べられ、森がつくられていました。前日、偶然にも湖まででかけ、その静けさと木立と影が織り成す、光の抱擁に満たされました。北欧展のデザインだからと、可愛らしさやデザイン賛美のような展示をイメージしていただけに良い意味で裏切られて嬉しかったです。その展示のコンセプトの様なものは最後まで続きます。自然、思想、古書、民間伝承など。そこから生まれる有機的な美しいデザイン(精神、心象)は、自然から離れたものではなく、また人間からも離れたものでもなく、その調和はとても落ち着き、身体にしっくりとくるもので、なぜ日本人が北欧のデザインを好むのかが、少しわかったような気がしました。展示作家ひとりひとりのひそやかな願い、喜びやかなしみ、言うなればひとりひとりがこころに持っている、深く碧いみずうみとそこから生まれる霧のようなものを感じる、静謐で美しい展示でした。静かな森と深い湖(海)と、あとはフィンランドの人たちが愛する野に咲く花々。私たちも愛するその花々も、春を告げるかのように光射す最後の空間に咲き誇っていました。長崎県美術館にて12月24日までの開催です。ぜひに。

長崎県美術館 | http://www.nagasaki-museum.jp/

「wa」vol.54

仕事復帰、第一弾。再び、デザインを通して誰かの役に立てる喜びと、感謝の気持ちを大事に、これからも励んでいければと思います。どうぞ、よろしくおねがいいたします。

福岡市文化芸術振興財団の機関誌、フクオカアート&カルチャーマガジン「wa」のアートディレクションを(今年も担当します)。昨年同様、イラストは妻が描いています。市営地下鉄などで配布されていましたが、市内公共施設であればまだ手に入るかと思いますので、よろしかったら。今号から表紙が公募になっており、今号の表紙は、瀬戸口朗子さん。「wa」は、財団のHPでも、読むことができますので、瀬戸口さんの表紙のコンセプトもあわせて、ぜひ。また、8/7(火)締め切りで、次号の表紙を募集していますので、九州で意欲的に活動する35歳未満の個人の方であれば応募できますので、よろしかったら。市内公共施設を始め、地下鉄、全国のアート施設などに配布されますので、とても良いチャンスかと存じます。

今号から少しコンテンツがリニューアルしています。担当のEさんの思い入れのある、「東北からの報告」。せんだいメディアテークの企画室長の甲斐さんが執筆されています。今号は、「3がつ11にちをわすれないためにセンター」のことを。どうしても、九州と東北では距離があるのですが、こうして、九州の紙面で継続的に東北の“今”を感じることができるのは、とても意義のあることだと感じます。個人的なことですが、今週末からの東北。当初、今年の春就航した福岡〜いわて花巻間で予定していたのですが、仙台経由で岩手に入ることにしました。肌で感じてきたいと思います。

artlier

アジア美術館内に、福岡市の文化芸術発信基地、「文化芸術情報館アートリエ」がリニューアルオープン。VI(ヴィジュアル・アイデンティティ)刷新のデザインを青い月で(こちらで、worksを更新しています)。昨年暮れから始まり半年ほどの仕事となり、またとても光栄な仕事で、感慨深さもひとしお。アートが福岡で暮らす人達にとって、より身近なものに、暮らしの中のひとつの拠り所となればと願っています。ちなみに現在、リニューアルイベント「アートリエへ、ようこそ」が開催中です。

 

 

文化芸術情報館 アートリエ(アジア美術館7F)

http://artlier.jp/
開館時間/10:00~20:00
休館日/毎週水曜日(水曜日が休日の場合はその翌平日)、12月26日~1月1日
問い合わせ/〒812-0027 福岡市博多区下川端町3-1リバレインセンタービル7F 福岡アジア美術館内
TEL:092-281-0081 FAX:092-281-0117