福岡市文化芸術振興財団の機関誌「wa」ができました(pdfで読む事ができます)。今号もわたしがデザインを、妻がイラストを描いています。地下鉄を始め、市内の公共施設で手にすることができますので、ぜひ。
表紙の作品は、人形作家、内丸早苗さんの木彫りのマリオネット。今回の「wa」の表紙の為に作られた新作です。さまざまな場所で撮影されたのですが、時間や光の陰影でどれも表情が異なり、とても色っぽく、表紙の写真を選ぶのに悩みました。関わった方、皆さん仰られていますが、彼女の作品展をぜひ、わたしも見たいと思います。
撮影はalbusの酒井さん。上がってきた写真はどれも内丸さんのマリオネットのアンニュイな表情を捉えており、表紙だけで10案近くデザインしました。彼女の対象への真摯な眼差しは、如何なるときも尊いことを感じました。こちらで撮影された写真を見ることができますので、よろしかったら(最近、webサイトがリニューアルされています。子どもの撮影に特に力を入れられていますので、関心のある方はぜひ)。
裏話をひとつ。社長がアートを語るコーナーがあるのですが、今回は福岡の老舗「ジョーキュウ醤油」の松村社長でした。社長のコーナーは写真をわたしが撮っているのですが、いきなり会って話すのも何だから、一度いらして下さいとお誘いがあり、撮影の事前に松村社長自ら、歴史ある蔵の中を案内してくださったり、普段の何気ない話をしてくださりました。おかげで、撮影当日は緊張せずにとても心地よい距離感で撮影することができました。多くは語りませんが他にも数々の、スマートな立ち振る舞いや小さな心配りなど、心底感動しました。社長が繰り返し仰られていた、“自ら計らず”は、忘れていた美徳の様で、何度も心の中で反芻しています。