wa 55号

福岡市文化芸術振興財団の機関誌「wa」ができました(pdfで読む事ができます)。今号もわたしがデザインを、妻がイラストを描いています。地下鉄を始め、市内の公共施設で手にすることができますので、ぜひ。

表紙の作品は、人形作家、内丸早苗さんの木彫りのマリオネット。今回の「wa」の表紙の為に作られた新作です。さまざまな場所で撮影されたのですが、時間や光の陰影でどれも表情が異なり、とても色っぽく、表紙の写真を選ぶのに悩みました。関わった方、皆さん仰られていますが、彼女の作品展をぜひ、わたしも見たいと思います。

撮影はalbusの酒井さん。上がってきた写真はどれも内丸さんのマリオネットのアンニュイな表情を捉えており、表紙だけで10案近くデザインしました。彼女の対象への真摯な眼差しは、如何なるときも尊いことを感じました。こちらで撮影された写真を見ることができますので、よろしかったら(最近、webサイトがリニューアルされています。子どもの撮影に特に力を入れられていますので、関心のある方はぜひ)。

裏話をひとつ。社長がアートを語るコーナーがあるのですが、今回は福岡の老舗「ジョーキュウ醤油」の松村社長でした。社長のコーナーは写真をわたしが撮っているのですが、いきなり会って話すのも何だから、一度いらして下さいとお誘いがあり、撮影の事前に松村社長自ら、歴史ある蔵の中を案内してくださったり、普段の何気ない話をしてくださりました。おかげで、撮影当日は緊張せずにとても心地よい距離感で撮影することができました。多くは語りませんが他にも数々の、スマートな立ち振る舞いや小さな心配りなど、心底感動しました。社長が繰り返し仰られていた、“自ら計らず”は、忘れていた美徳の様で、何度も心の中で反芻しています。

アルファベットがつなぐ時間

14日まで九大(箱崎)総合博物館で、スタジオポンテによるカリグラフィー展「アルファベットがつなぐ時間」が開催されています。興奮の様子は妻のブログから。妻のブログにもある通り、イタリアを訪れた際、さまざまな碑文の美しいタイポグラフィを眺めては、二人で興奮していました。またゆっくり訪れたいと思います。

私もこっそり興奮して、随分昔にお小遣いを貯めて買った、カリグラフィーの本を眺めて想い出に浸っていました。とある美容室のタイポグラフィを書くことになったのがデザインの世界に入るきっかけでした。必死でしたがあの時の付焼き刃と言ったら…。でも、それでも喜んで下さり、それがまた自分にとっても嬉しくて、だからこそ今もデザインを続けられているのかもしれません。懐かしい想い出です。

14日には(11:30〜、14:00〜)、主宰のさつきさんによるカリグラフィーのデモンストレーションがあります。目の前でローマンキャピタルが生まれる瞬間の美しさと言ったら。と、妻と同じテンションになっていますね。ぜひ、足をお運びください。

隣る人

今日は私なんかの言葉よりも。妻のブログから。
DVD化はされないそうです。子どもに関わる方はぜひ観てほしいです。


「隣る人」| in cucina con amore

明日も、あさっても、この淋しさはなんにもかわらないし、今日も見えない楯を持っている。
正直にどんな気持ちなのかわからないけれど
私には父親がいませんでしたから
少なからず似たような気持ちになったことはあります。

大人になってからも不思議な淋しさは今もかわりません。

中洲大洋にてドキュメンタリー映画「隣る人」が10/12(金)まで上映されています。

訳があって家族とは暮らせない、他の場所で暮らす子供のたちの日常。

そして、子供たちのそばで、今を、未来を、温かく包むことを考えそばにいる大人たち。

ストレスが多い日常で、落ち着くことや楽しいことを求めてばかり。私も。

だけれどほんの少し余裕があるのなら、
知っているつもりでいることを
ちゃんとのぞいてみることも、
けして悪いことではないように思います。

どんなに遅くても、電気が消えた家でも、
水と少しのお菓子、
それから帰って来てくれるという予定さえあれば
子供は
いつまでだって、誰か(家族)を待てる。そう思います。

絶対にそうだとはいえないけれど。