新しい旅

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あけましておめでとうございます。

今年も妻と福岡空港に2013年の初フライトを見に行ってきました。
氷点下の夜明け前、寒さに身を縮こませながらも、ランドナーとミニベロで。
昨年同様、警備員さんに送迎デッキを開けてもらい雪降る中、飛び立つ瞬間を待ちました。
いつもと違う雪化粧の空港は、ここではないどこか遠い北の国を想わせ高揚感を与えてくれました。
朝から働く整備士さんたちの仕事に感動し、胸いっぱいになりながら、初フライトを見送りました。
その後、荘厳で限りなく清々しい日の出が。あいにくの空模様で初日の出は期待していなかったので、
予期せぬ邂逅に心から感謝をしました。さあ、新しい旅の始まりです。

昨年のテーマは「旅」でした。大きな収穫のあった旅路となりました。
人生を左右する怪我はあったものの、それでも独立して初めて満足できる結果がついてきました。
そして、今年も「旅」。星野道夫さんの言葉を借りるのならば、

「目の前からスーッとこれまでの地図が消え、磁石も羅針盤も見つからず、
とにかく船だけは出さなければというあの突き動かされるような熱い想いです。
そしてたどり着くべき港さえわからない新しい旅です」

そんな心境です。さまざまな要因はあるかと思いますが、今、僕も力がみなぎっています。
生かされている命を精一杯つかいたいと思っています。
日本国内、そして海外はもとより、かつての日本へ旅を。
昨年、民俗学の原点である遠野物語の舞台、岩手県遠野を訪れましたが、
今年は柳田國男氏がパブリックドメインになったこともあり、
多くの民俗学のことが明らかに、そして身近になっていくと予想しています。
民俗学は、名もなき人々の暮らしのすぐ近くにあるもので、
伝承されたものを、人々のしあわせを願い、より良い方へ活かしていく学問だと信じています。
自分が軸としている福祉、子ども、教育、地域性、多様性など、たくさんのヒントがすでにそこにあります。
これまで以上に足を動かし、洞察、考察を重ねて、少しでも良い方向へ行くように、
デザインに活かしていければと思っております。

みなさまにとって幸多き一年となること、心より願っております。
本年もどうぞ、よろしくおねがいいたします。

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さあ、本は閉じて、自らの足で。