考えて、つくる。そして伝える。

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二十代の半ばに出合った「自分の仕事をつくる」という言葉。この言葉に出合えたおかげで、今の僕の生き方があります。あれから十年近く経ちますが、その言葉があったので、孤独に耐えることもできましたし、何かの真似をすることもありませんでした。受けるのではなく、自分が本当にデザインが必要だと思うところに主体的に動いていく。相手の心と声に耳を澄まし、考えて、つくる。そして、世へ伝えていく。誇張せず、迎合せず、等身大の親しみのある距離感で。かたちのないところから、かたちをつくる(ときにかたちのないものも)。それはとてもクリエイティブなことで、コミュニケーション・デザインを生業にしている僕にとって、何物にもとらわれず自由にしなやかに、想像することから始めるというのは、とてもしっくりくるものです。その本に出合ってから数年後、あこがれはそのままに、自分の肩書きもプランニングディレクターに変えました。その御礼をまさか、自分のアトリエで言える日が来るとは夢にも思ってもいませんでした。僕のこれまでを、あまり話すことのなかったこれまでを、何時間もかけて、たくさん話させていただきました。そして、次の高みへと向かうときにかけてくださった激励の言葉。それは僕には本当にもったいものでした。それはまるで誰かが準備してくれた卒業式のようでした。本当にありがとうございました。

さて、ナガサキリンネ。企画、広報、デザイン、渉外、会場設計と、自分のクリエイティビティを活かし、愛情と意思と信念を持って、プランニングディレクターして取り組んだ今の僕に出来る最大限の仕事でした。言語化するにはまだまだ時間がかかりそうですが、今はただ何も言わずに僕を信じ、共に歩んでくれた仲間へ、心からの感謝と労いの気持ちでいっぱいです。