人間がこんなに哀しいのに

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アウシュビッツで死刑を宣告された若い父親の身代わりとなって殉教したコルベ神父が長崎で印刷していた頃の活字や組版、織り機を見させてもらいました。深く厳かな気持ちに。未だ活版に関して多くを語ることはできませんが、大切な文化として次の人たちのために、残さなければいけないことだけはわかります。様々な可能性を考えながら同時に複数のアプローチを行っています。プランナーとしての仕事が、“企画”から“計画”に変わりつつあります。これまで水面下で動いてきましたが、そのプロセスも伝えていければと思います。


コルベ神父のことを「女の一生~第2部」で描いた遠藤周作。その彼の代表作、「沈黙」がマーティン・スコセッシ監督によって、いよいよ撮影がスタートするそうです。主人公の宣教師ロドリゴをアンドリュー・ガーフィールド、その他には渡辺謙やイッセー尾形、そして全編ほぼ日本語と期待は膨らむばかりですが、撮影許可の問題でロケ地が台湾に(クールジャパン…)。弾圧が激しく、荒涼かつ荘厳な風景の外海町だからこそできた物語だったと思うのですが、ちょっと残念です。「人間がこんなに哀しいのに主よ、海があまりに碧いのです」と遠藤周作が言った外海の海。久しぶりに足を運ぼうと思います。

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日本語の活字を拾う事は困難だったそうですが、「無原罪の聖母の騎士」の創刊号は何と1万部発行。