スピードや軽さを求め、競うことを目的としたロードサイクルも良いですが、のんびりと風景や旅を楽しむランドナーが性に合っていると乗り始めて一年半。はじめて100kmを越えるサイクリングを行ってきました。合宿先の長崎県大村市まで輪行でランドナーを運び、そこから、波佐見〜有田~伊万里~唐津~糸島〜福岡間の137km。山道に林道、きれいに手入れされた里山、古い街道、田んぼのあぜ道、何処までも続く海岸線。GPSに頼ったり、色々と検索して目的地に着くのはとても便利かもしれませんが、道に迷う楽しさもランドナーの旅の醍醐味のひとつ。本屋さんで地図を買って(何だかその佇まいにホッとして)、道に迷っては地図を眺め、それでも分からなければその土地の人に道を尋ねて。「あんた、こっちの方が良か道よ」と秘密の道を教えてもらったり、自分の直感に身を委ねては、ふるさとの民俗に出合えたり、休憩先に選んだ各地域の公民館の図書室ではその土地の古い物語に出会えたり。2013年の夏の終わりの光と風は心地よい爽快感を残し、朧げだったその土地の輪郭をより鮮明にしてくれました。
旅の始めは日の出と共に。多良岳を下っていきます。
視界が緑一色に染まります。
林道を。野鳥の鳴き声は旅立ちのファンファーレ。
鏡のような凪いだ大村湾。
波佐見町では友人に逢いに。
舞踏家のような姿の老松の松林を抜けて。
愛しの鏡山と虹の松原。月毎に訪れつつも、いつもと違う風景。
糸島までは海岸線。ガードレールに頼りなさを感じつつも明媚さは格別。
糸島の田園。日が傾きだす。
福岡市内に入った頃、海面を夕陽が照らす。
到着。さてさて、次は何処へ旅しましょう。