秋は秋で

IMG_0693

朝の珈琲が美味しい季節になってきました。あんなに暑い暑いと言っておきながら、その夏が恋しくなるからわがままなものです。初夏、いつも紙でお世話になっている七山の紙漉思考室の前田さんから、たくさんの梅を頂きました。ダンボールを開けると部屋中に梅の爽やかな香りが広がりました。とても良い香りで二人でしばらく悦に。それから妻がひと粒、ひと粒、爪楊枝で処理をして黒砂糖につけて、数ヶ月。普段は晩酌なのですが、ワインも日本酒も切らしていたこともあり、「開けてみますか?」と妻と顔を見合わせ、グラスについでゴクリと。黒砂糖のやわらかな甘みと梅の爽やかさが相まって、奥深くふくよかな、とても美味しいお酒になっていました。とても良い気分で、すぐに瓶が空になりそうです。

IMG_3549

IMG_3378

ひと粒、ひと粒処理をするのは栗も一緒。それをイタリアの土鍋で炊いて、ホクホクの栗ごはん。器は工藝風向さんで買った小鹿田の坂本創さんのめし碗。毎日使うこともあり随分と暮らしに馴染んできました。

IMG_3366

それから。いつものように妻が針仕事をしていると思っていたら、干し唐辛子を作っていました。イタリア料理には欠かせないらしく「これで、一年は大丈夫」だとか。今は窓辺に吊るされ、魔除けのようになっています。

生ける花も青が多かった夏の花から暖かな色へと。団子菊を大村の六音窯、松尾さんの花器に。松尾さんの器は魚皿で夜ごと食卓に上がるのですが、花器もまた暮らしに潤いを与えてくれています。秋は秋で、秋の暮らしと楽しみがありますね。めぐる季節の中で今を歓び、楽しむこと。それは人もまた自然の一部であるという忘れがちなことを、そっと教えてくれます。

IMG_3585