小舟の様な三日月が浮かぶ夜に

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12月6日、秘密保護法が可決されました。おそらく教科書に載るであろうその日の事を忘れない様に記しておきたいと思います。その他にも生活保護法改正案、生活困窮者自立支援法、武器輸出三原則見直し、原発を重要電源としたエネルギー計画の提出と、大きなことがこうも駆け足で決められていっては、受け止めることは勿論のこと、身体が全く追いつくことができません。これからのことを、これからの人たちを抜きにして決める事の歪さを感じながらも、決定した18歳以上の国民投票法改正は徴兵制への試金石とも思えなくもなくもあり、ただただ未来の子どもたちに申し訳なさが募るばかりです。

先日、秘密保護法のデモに妻と参加しました。秘密保護法には「戦争」が隠れています。急いでプラカードを作ったものの、まさか自分が天神の真ん中で「戦争反対」と叫ぶ日が来るとは夢にも思っていませんでした。ですが、それが現実のものとならないように最後まで抵抗するのが、今を生きるおとな達の責務のような気がします。デモ中、沿道から手を振りながら「ありがとうございます!がんばってください!」と言っていた高校生の男の子たちの為にも「次の子どもたちを戦場に送りたくはありません」ではなく「次の子どもたちを戦場に送るわけにはいかない」と語尾を強めます。自分は純然たる表現者ではありませんが、震災のときも自分がデザインに関わる意味を改めて深く考えました。今回も考えました。それはデザイナーを志したときから変わらず、クリエイションの根底にあるのは「平和」でした。平和と言葉にすると掴めないかもしれないけれど、それは朝の珈琲であったり、温かいスープであったり、犬のあくびであったり、家族や愛するひとたちとの時間だったりします。それらが誰しも分け隔てなく訪れることを日々、願っています。


夜空には小舟のような三日月が浮かんでいました。小舟は広大な海で大波に揺れながらも、灯台のように光る金星を目指しているようで何処かホっとしました。大きな風が来れば来るほど、それを力に変えれるような帆を張ろう。そして、次の人たちのためにも少しでも希望が持てるクリエイションをしよう。そんな想いを新たに。