ランドナーをつくる(1)

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車の免許を持っていないので市内と市近郊の移動はランドナー(自転車)です。普段、どれくらい乗っているのかなと走行距離を測ってみると、ランドネ(長距離サイクリング)を省いて、西へ東へほぼ毎日約20kmでした(競技車ではないので、のんびりですが)。環境にやさしいと言うよりは、光や風や風景を感じたり、気持ちを切り替えたり、アイデアを考えたりと自分にとっては心を通わす人の気配がする道具です。なので手入れもしていますが、やはり毎日乗っていると気がつかないうちに傷が増え劣化も激しくなります。自分で出来る範囲はメンテナンスを行い、できないときは修理をお願いしています。年代物のパーツを使っていることもあり、修理にもそれなりの費用がかかってしまいます。初めてのランドナーでずっと乗り続けたいこともあり、併用で乗れるようにと思い切ってオーダーメイドで自転車をつくることにしました。

ランドナーやスポルティーフに乗る人は誰しもが憧れる日本が世界に誇る『東叡社』のフレーム。一生物になるので緊張しながら『長住サイクル』のおじさんに相談しました。すると、「東叡はお金を出せば誰でも作れるけん、いつか作りんしゃい」とあっさり。そして奥から見慣れないフレームを出して下さいました。おじさんがお店を出された頃(40年以上前)に手に入れられた今はなき「ワンダーフォーゲル号」、フレームには「randonnee」と。長住サイクルは子どもの頃の僕らの溜まり場のような場所で、その頃すでにこのフレームはここにあったんだと思うと感慨深くなり、東叡社への憧れは何処かへ。そしてフレームに自分の手の長さと股下を合わせると、ぴったり。「このフレームはずっと、乗ってくれる人ば待っとったとよ。おじちゃんも技術ば磨きながらいつか作ってみたかあとフレームに合うパーツを少しづつ、少しづつ集めとったとよ。決まりやね」と、このフレームをベースに当時のパーツをアッセンブルしての自転車づくりがはじまりました。

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