The Rip Tide

妻の自転車もおじさんのところで。いわずもがなイタリア好きの妻はイタリア車、GIOS(ジョス)のアンティーコの白。僕のランドナーも帰ってきたので、梅雨の晴れ間に、新宮と福間の浜まで少し遠出を。浜には僕らの他には老夫婦と、およそ兄弟の老犬。こちらを見つけ、何かを想いだしたように遠吠えをする。猛々しさはなく、むしろ、リスタートのファンファーレを奏でてくれているような気がした。海に行くとあらゆることを忘れ、そして、あらゆることを想い出す。海に何をしに行く訳でもない。海に行く。それだけでいい。陽を浴びる。潮風を感じる。リップタイドを見つめる。水平線を眺める。その彼方を想う。隣に座り、見つめ合って何かを話すでもなく、共に海を眺め、ただ、静かに。


もう遠い過去のような気もするが、今年の始めにBeirutのライブを聴きに大阪まででかけた。これまでに経験したことのない多幸感に溢れたライブだった。「The Rip Tide」というアルバムを引っさげての初来日だったが、そのタイトル曲は不思議と歌わなかった(当時、最も聴いていて曲でもあった)。ザック(ヴォーカル)にとって大切な曲なんだろうね。と、妻とふたりで妙に納得した。歌詞を見る限り、誰かに捧げたレクイエムなのかもしれないと。そんな 「The Rip Tide」のofficial videoが、昨日アップされた。発売されて一年以上経って、ようやくだが、ようやくという感じがしない。この時間に多分、いろいろと葛藤があって簡単には答えをださなかったのだろうと思うと、何ともbeirutらしいし、やっぱり好きだなあ、と。



The Rip Tide / Beirut

And this is the house where
I feel alone
Feel alone now
And this is the house where
Could be unknowkn
Be unknown
So the waves and I found the rolling tide
So the waves and I found the rip tide