これまで、これから

IMG_1729

7月で独立してから8年の月日が流れました。独立する際、消費の為のデザインではなく、子どもや教育、社会的課題の為のデザインをと(いや、そんな大げさな事じゃなくて困っている人の役に立ちたいな、と)志を持ちました。困っているけれど、表に出てこないこと。良いことなのに、表に出てこないこと。そこへ足を運びながら、社会の中でどう伝えて行ったら良いのか。そんなことばかり考えてきました。

当時はプロボノと言う言葉も知らず、ただ役に立ちたいとの一心で、自分のデザインの職能を課題解決の手段として使ってきました。また、社会的な課題解決の為に活動している、さまざまな人たちとの関わりの中でデザインじゃない仕事(時間)も多かったですが(今もですが)、その時間は気づきの多いとても豊かなものでした。依頼者と受託者じゃない関係が自分は心地良いのだと思います。僕はこんなだから、デザインで引っ張っていくことはできません。でも、一緒に悩んで、一緒に描いて。やっぱり目の前の人が笑ってくれると、自分も嬉しくなります。自分の不甲斐なさに悔しい想いもしてきましたが、それらが糧になって今の充実した時間を過ごせていることを実感しています。頼って下さった皆さんに、必要として下さった皆さんに、今改めて心からの御礼を申し上げます。

さて、ふたり妹がいるのですが、先週、下の妹に子どもが生まれました。そして、僕たちにも。上の妹は一週間で一気に姪っ子と甥っ子ができたので、びっくりしています。これまで子どもやお母さんの為のデザインを多く手がけてきたので、ある程度の知識と理解はあったのですが、やっぱり女性って本当に強く、美しいですね。陣痛が来てからずっと立ち会っていたのですが、いよいよ最後、妻が力むたびに、涙が溢れました(何故か僕が)。愛情溢れる人に育ってくれればと思います。あとは自由に(僕がそうなので)。里帰りではないので、さっそく三人での暮しが始まります。これまで学んだことをすっかり忘れるくらい振り回されるかと思いますが、気負わずに、変わらずゆっくりと歩んで行きたいと思います。今後ともどうぞ、よろしくおねがいいたします。