花だより、虫だより

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年度末はいつも慌ただしくも、もっともアイデアを求められる季節でもあり、充実感に満たされています。他の誰でもなく自分を必要としてくれるのは何よりのモチベーションです。長く感じた冬も少しづつ終わりが近づいて来ていることも感じます(と言いつつ今朝は寒かったですが)。春を告げる花々も目立ってきました。随分と乳白色の空の日が続きましたが、久しぶりの青空に白木蓮が映えていました。まるで、大勢の文鳥が羽根休めをしているようでした。ミモザ。子どもの頃は勝手にその見た目から“花粉症の花”と名付けて近づかないようにしていました。それが春を知らせる花と知ったのは随分後のことです。ひな祭りの日には、雛あられか、菱餅かと迷いましたが、梅にしました(桃がなかったので)。翌朝、キッチンが清々しい香りだったので、団子より花にして良かったと。お堀の土手にはたんぽぽ。しばし腰をおろし、花弁を詳しく見ようと顔を近づけてみると、てんとう虫が。気付けば冬ごもりをしていた虫たちが起き出す二十四節気のひとつ「啓蟄」。週末は、ヤマアカガエルの卵を見つけることができるかも。

新月から新月へ

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新月で幕を開けた2014年最初の一ヶ月が新月で閉じます。ひと月に2度新月が訪れるのは何とも不思議な気持ちです。ズシンと胸にきた先週末の出会いが、少しづつ身体中に巡っていることも感じます。普段からほわんとしていているとよく言われますが、よりほわんとしているのを感じます。雲の上を歩いているようです。また、子どもの頃の自分が聞いたら泣いて喜ぶような出来事もありました(実際、泪してしまいました)。時が経ち、いつかふと想い出す様な印象的な1月になりました。

変わらず日々はいつもの繰り返し。自転車に乗って、アイデアを考えて、誰かの事を想って、誰かに会って、会話して、悩んで、手を動かして。昨日も今日も明日も。あるひとつの打ち合わせが終わった後、ポツリと佇む青サギを見かけたので岸辺に自転車を置き、腰をかけて夕暮れのひとときを共にのんびりと過ごしました。刻一刻と変わっていくこの美しい時間を、青サギとふたりだけで独占しているような少し贅沢な気持ちに。ありがとう。おかげで良い夕べが過ごせました。

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水仙月

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隣に誰かいるという日常を失ったとき、初めてその大きさに気付きます。けれども残された者は淋しさだけではなく、愛の記憶にも包まれている事も感じます。月日を重ねるほどその包容はやわらかなものに。

今年も水仙月がやってきました。甘く切ない香りに誘われ、古ガラスに。「私はあなたの愛に値しないと思ふけれど、あなたの愛は一切を無視して私をつつむ」と、高村光太郎の言葉が響く季節です。

特別で、忘れ得ぬ時間

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今日の福岡の空は久しぶりに雲ひとつない澄み切った青でした。昨日の東京の同じ頃は既に陽が落ちていたので、随分と西は陽が長くなってきていることを感じます。20羽ほどの渡り鳥が自分には引けないような、きれいな直線の列をなして北へ帰っていきました。それに遅れて一羽、また一羽と忘れかけた想い出にあかりを灯すように、ゆっくりと後を追って帰っていきました。今日の夕陽がいつもと違って見えたのは、特別で、忘れ得ぬ週末を過ごしたからに他ありません。出会いは人を、風景を変えることを実感しました。

多摩美の公開授業、プレデザイン「デザインで、何を?」。片手で数えるぐらいしか訪れた事のない東京で、デザインを学ぶ人たちが集う美大で話すと言う、かけがえのない経験をさせて頂きました。学生の方だけでなくより外から多くの方々がいらっしゃって下さった事もとても嬉しかったです。心よりお礼申し上げます。冒頭、西村佳哲さんからオリエンテーションがありました。山が描かれた画像を示され、その頂上にいる人、その頂上を目指す人ではなく、最初から頂上は気にせず裾野で活動する人、すなわち裾野だから全方位で最前線。そんな“裾野派”の二組を今日は紹介しますと。こそばゆさを感じながらも自分で気付かなかった自分の居場所にとても嬉しくなりました。それから、裾野派は裾野にいるから滅多に会う機会はないけど絆は強いからこうして会うと励みになりますねと、エフスタイルのお二人も。とても胸が熱くなりました。

自己紹介の後、30分ほど「どんなふうに自分の仕事を育ててきたか」「その中でなにを大切にしてきたのか(いるのか)」とプレゼンテーションを行い、その後、西村さんによる公開インタビュー、そして会場に居合せた方々同士でやりとりをし、そして最後は質問の時間に。質問をして下さった方も、一緒に考えて下さった方も。みなさんと触れ合えた時間はとても大切なものになりました。ありがとうございました。次にエフスタイルのお二人も同様の内容で(お二人には本当に感銘を受けると同時に、より芯に近い所で通じ合えたので本当に嬉しかったです)。6時間…。と、最初は思っていましたが西村さんの仰る通り、過不足のないちょうどいいペースで、味わい、確かめた時間となりました。予定の19時を過ぎ1時間程の延長戦にも多くの方々が残ってくださいました。今回、西村さんは次のような事を思われていました。

多摩美の上野毛校は二部(夜間の大学)として始まった場所で、ふだんの授業は18時に始まります。そのため社会人学生も多く、高卒間もない学生から中高年まで、多様な年代の人間がたがいに学び合える、いい空間でした。が、ここ数年の経済状況の厳しさによるのか、社会人の割合は減り、せっかくの多様性はやや損なわれていて。この2日間はそれを補える機会になれば、と考えています。よその美大や、デザイン専門学校で学んでいる人たちも、どうぞお越しください。教育方針や指向性は学校ごと・講師ごとに違いますし、たとえ同世代でも、学生たちのモノの見方も異なるので。美大以外の教育機関の学生たちは、なお異なるのでウェルカムです。本人が自分の立ち位置を捉え直そうとするとき、遠い星というか、灯台というか、自身を相対化できる他者の存在はとても機能するはずなので、ぜひいろんな人にその場にともにいていただけたらと思っているわけです。

青い月の屋号の中にもある「月」は、自ら光ることはありません。月の光は、すなわち太陽の光。あなたがいて私たちがいるというその多様性は、さまざまな示唆を与え、思考を豊かなものにしてくれます。人と触れ合うことで、自分を知ることができ、ほっとします。たどたどしい私が何を伝えることが出来るのだろうかと不安でしたが、口々に良い時間だったと仰ってくださったり、また、あんなにも握手を求められたのは初めてでした。そのぬくもりは、力となります。週末の時間は、ただ本当に特別なものだったと言う事が分かるだけで、まだうまく言葉には出来ませんが、また日々に戻り、励んでいきたいと思います。本当に足を運んで下さりありがとうございました。心からの感謝を(感想、ありがとうございます。ゆっくりとお返事させていただきます)。

加冠の儀

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今年の初ライドは飯盛山まで。飯盛山のシルエットはとても美しく、マンションなどがなかった時代は遠くからもその姿を崇めることができ、さぞかし荘厳なものだったんだろうなあと想像するに容易いです。その麓にある飯盛神社では、今でも現在も古式に則った元服式(成人式)が行われています。昨年も主に近辺の男性13名、女性10人が参加し「加冠の儀」が行われました。男性は直垂を、女性は中世の晴れ着である水干装束(すいかんしょうぞく)に着替えさせてもらい、その後、烏帽子をかぶせてもらって(冠婚葬祭の冠は冠を頂くこと)、おとなの仲間入りを果たしました。厳かな雰囲気の中にも、地域の人たちの温かい眼差しがあったのが印象的でした。新興住宅地で育っただけに、このような自分とふるさととを結びつける通過儀礼には憧れがあります。今年も12日、13日の両日14時から行われます。