平和への想い

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長崎市の田上市長による「長崎平和宣言」。素晴しかったです。原爆により亡くなられた方々に哀悼の意を捧げるとともに、NPTの核不使用声明に署名しなかったこと、インドとの原子力協定交渉の再開、福島第一原子力発電所についても言及されました。「被爆国としての原点に反する」と糾弾し、「日本政府に、被爆国としての原点に返ることを求めます」と訴えられました。

それから、若者に向けたメッセージも強く心を打ちました。

“若い世代の皆さん、被爆者の声を聞いたことがありますか。「ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ、ノーモア・ウォー、ノーモア・ヒバクシャ」と叫ぶ声を。 あなた方は被爆者の声を直接聞くことができる最後の世代です。68年前、原子雲の下で何があったのか。なぜ被爆者は未来のために身を削りながら核兵器廃絶を訴え続けるのか。被爆者の声に耳を傾けてみてください。そして、あなたが住む世界、あなたの子どもたちが生きる未来に核兵器が存在していいのか。考えてみてください。互いに話し合ってみてください。あなたたちこそが未来なのです”。

この中には語らずとも、「ノーモア・ウオー、ノーモア・ヒバクシャ」と、反核運動を永年引っぱり続け先日亡くなった山口仙二さんの想いを受け継ぎ、伝えようとしていることは、想像するに容易く、込み上げてくるものがありました。また、「日本国憲法前文」を引用し、そこには平和への国民の固い決意がこめられているとして、平和希求の原点を忘れないよう、戦争体験・被爆体験を語り継ぐことの大切さを述べられました。憲法改正を目論む政府要人を前にしての田上市長の気骨を感じずにはいられませんでした。



自分のクリエイション(仕事)の根底には、平和への想いがあります。デザインを生み出す際の真理の様なものです。「本当の平和をもたらすのは、ややこしい会議や思想ではなく、ごく単純な愛の力による」と、自らも被爆者として白血病と闘いながら平和を願い続け、被爆者への救護活動を続けた永井隆博士は言いました。それは、マザー・テレサの「この世では、大きいことはできません。小さなことを、大きな愛でするだけです」。という言葉にも近いかもしれません。共にとてもシンプルで魂に響く言葉です。これからも平和を想い続け、愛情を持ってクリエイションをおこなって行きたいと思います。