伝えるということ

ロゴやwebサイトをデザインした「PLAY FUKUOKA」さんからの依頼で、篠栗の福岡県立社会教育センターで行なわれた「子どもの遊び場 北部九州合同集会」で講演を。怪我のこともあり、今のタイミングで見知らぬ人の前で話すことに少し臆するも、今のタイミングだからこそ、励ましたいし、伝えなきゃいけないことがあるんじゃなきだろうかと思い、話させて頂く。


北九州市から南は鹿児島まで。子どもの現場で活動するさまざまなNPO、団体の方々が訪れていた。与えられたテーマは「発信力」。現場で活動している方たちは、本業に追われ、発信が疎かになってしまうのは、周知の事実。じゃあ、誰でも簡単に発信ができるfacebookなどのソーシャルメディアを使って、プロジェクトを立ち上げたり、セルフブランディングを行なっていく。なんて話はせずに、むしろ、むやみに発信なんかしなくても良いんじゃないかと、身も蓋も無いことを話す。大切なことは、声の大きさではなく、例え、ささやきぐらい小さなものだとしても、日常的に声をかけ続けることの方が大事なんじゃないかと思っている。確かに時間はかかるかもしれないけれども、外ではなくその「対象」や「物事」にかけ続ける声は“ノイズ”にならず、どこまでも、いつまでも、響き渡るものになっていく。

何かを行なうことでの、その評価や効果。誰とつながっておけば良いだろう。などと「自分」を基準とするのではなく、まず、その対象や物事を基準とし、眼差しと好奇心、そして愛情を持って、フラットな立ち位置であれば、それを見守る人達のこころにも対象や物事の居場所がうまれ、一緒に楽しみながら、育んでいくことができる。主張を押し付けることなく余白(あそび)を残し、そして、どこかを置き去りにしない。等と、日頃思っていることを伝える。


その後、みなさん、ひとりひとりに自己紹介をしていただき、ディスカッションを。あっという間に三時間が過ぎる。伝えようとするのでなく、その人の想い、日々の行ない、そして存在そのものが、すでに伝えることになっているんじゃないか。と、終始、穏やかな雰囲気の中、会は終了した。いらっしゃった方には懐かしい顔もあった。「わたしはここにいます」と一度、旗を掲げたら、その旗を掲げ続けることが大切なんだと改めて気付かされる。見すぼらしくてもいい。いびつでもいい。向かい風もあっていい。風が強ければ強いほど、その旗は鮮やかに、大空に、はためくのだから。
共にがんばっていきましょう。