キリスト教の伝来と西海の歴史

長崎県西海市西彼総合支所(オランダ村)にて、横瀬浦開港450周年記念事業企画展「キリスト教の伝来と西海の歴史」が11月10(土)から12月2日(日)まで行なわれます。1562年に開港した横瀬浦は、日本で最初のキリシタン大名である大村純忠が洗礼を受けた地であり、天正遣欧使節の中浦ジュリアンの生誕地であり、『日本史』を著したイエズス会のポルトガル人宣教師ルイス・フロイスが日本で最初に上陸した歴史的な場所。横瀬浦はポルトガル船が来航し大いに栄えますが、領内の仏教弾圧の反感から内乱が起こり、一夜で街が全て焼き尽くされます。展示ではその横瀬浦開港と消失の歴史、大村純忠の名代としてヨーロッパへ派遣された天正遣欧少年使節に関する資料(1585年ローマにてプレスされた「日本使節グレゴリオ13世謁見の枢機卿会議記録」など)、秀吉が福岡箱崎で発した伴天連追放令に関する資料、外海で信仰を続けた潜伏キリシタンの資料などが展示されます。先日メンテナンスを行なった南島原教育委員会所蔵のグーテンベルク式活版印刷機も展示されます。その印刷機で日本初の活版印刷による書物、「サントスの御作業の内抜書」を刷る体験も予定しています。

1605年に長崎のコレジヨで刷られたキリシタン版「サカラメンタ提要」。キリスト教の典礼書で、中には19曲のグレゴリオ聖歌が印刷されています。五線譜は朱で、音符は四角くスミで刷られた美しいものですが(日本初の活版による楽譜印刷、二色印刷)、思えば洋楽も、洋楽器も彼らが日本に持ち込んだものでした。先日行なわれた横瀬浦開港450周年式典では西海北小学校の生徒と、中浦ジュリアンと同じく天正遣欧少年使節の一員であった伊東マンショが没後400年と言うこともあり彼の地、宮崎県西都市都於郡小学校の生徒たちが招待されていました。そして、「サカラメンタ提要」から数曲披露。澄んだ横瀬浦の夏空にラテン語の聖歌が響き渡りました。


横瀬浦開港450周年記念事業企画展「キリスト教の伝来と西海の歴史」
日時:2012年11月10日(土)~2012年12月2日(日)
場所:西海市西彼総合支所2階(オランダ村)
主催:横瀬浦開港450年記念事業実行委員会、西海市、西海市教育委員会   


サカラメンタ提要/Tantum Ergo