今年最後に

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今年もさまざまなご縁を頂き、ありがとうございました。そしていつも気にかけてくださり、本当にありがとうございました。来年は働き方が変わる年になりそうです。通常のプランニングとデザインに加え、前述の長崎出島に活版の場所をつくることがひとつ。地域資源のデザインに特化したクリエイティブプロダクションを設立することがひとつ。そして、ソーシャル・インクルージョン(何人も社会から排除されない)の為のデザインを行う組織の設立がひとつ。独立後、多くのソーシャルなデザインを行ってきましたが、これはその経験から大切に温めてきたことであると同時に、社会におけるその必要性をますます感じています。障がい者と健常者のあわいに立つ自分だからこそ見える景色があり、困っている誰かの役に立てればと心より願っております。すでにご相談やお声がけもさせて頂いていますが、より多くの方々の参画が必要となりますので、その際はぜひお力をお貸し下さい。

2012年は交通事故に遭い、後遺障害が残るという僕ら夫婦にとって生涯忘れられない年になりました。なので、2013年はリハビリを兼ねてゆっくり過ごそうと話し、無理をしないこと、そして日々の暮らしをこれまで以上に大切にしました。潮の満ち引き、流れ星の雨、風の香り、光の包容、森の静寂、動物達の咆哮、そして笑いの絶えない食卓。そのような日常の細部を慈しみ、そして楽しむことで結果として自由なアイデアが多く生まれた気がします。今年はふたたびイタリアへ旅をすることが出来ましたが、来年はまだ見ぬ日本海側へ旅をしてみたいねと妻とも話しています。そして来年は午年。なんと年男です。高く飛ぶ為に今年は重要な年だったと改めて感じています。これまで以上に自由に、囚われずに、しなやかに駆けることができればと思います。

皆様、今年も本当にお世話になり、ありがとうございました。また、このwebサイトに遊びにいらして下さりありがとうございました。2014年の始まりは新月から。良いことがあるといいですね。それでは良いお年をお迎えください。

MOTHER

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世界で最も愛されている英単語が「LOVE」ではなく「MOTHER」と知ったのはつい、一昨日の事。銃ではなく母の愛が届きますように。平和と、生きとし生けるものの平穏を願い祈ります。メリークリスマス。

小舟の様な三日月が浮かぶ夜に

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12月6日、秘密保護法が可決されました。おそらく教科書に載るであろうその日の事を忘れない様に記しておきたいと思います。その他にも生活保護法改正案、生活困窮者自立支援法、武器輸出三原則見直し、原発を重要電源としたエネルギー計画の提出と、大きなことがこうも駆け足で決められていっては、受け止めることは勿論のこと、身体が全く追いつくことができません。これからのことを、これからの人たちを抜きにして決める事の歪さを感じながらも、決定した18歳以上の国民投票法改正は徴兵制への試金石とも思えなくもなくもあり、ただただ未来の子どもたちに申し訳なさが募るばかりです。

先日、秘密保護法のデモに妻と参加しました。秘密保護法には「戦争」が隠れています。急いでプラカードを作ったものの、まさか自分が天神の真ん中で「戦争反対」と叫ぶ日が来るとは夢にも思っていませんでした。ですが、それが現実のものとならないように最後まで抵抗するのが、今を生きるおとな達の責務のような気がします。デモ中、沿道から手を振りながら「ありがとうございます!がんばってください!」と言っていた高校生の男の子たちの為にも「次の子どもたちを戦場に送りたくはありません」ではなく「次の子どもたちを戦場に送るわけにはいかない」と語尾を強めます。自分は純然たる表現者ではありませんが、震災のときも自分がデザインに関わる意味を改めて深く考えました。今回も考えました。それはデザイナーを志したときから変わらず、クリエイションの根底にあるのは「平和」でした。平和と言葉にすると掴めないかもしれないけれど、それは朝の珈琲であったり、温かいスープであったり、犬のあくびであったり、家族や愛するひとたちとの時間だったりします。それらが誰しも分け隔てなく訪れることを日々、願っています。


夜空には小舟のような三日月が浮かんでいました。小舟は広大な海で大波に揺れながらも、灯台のように光る金星を目指しているようで何処かホっとしました。大きな風が来れば来るほど、それを力に変えれるような帆を張ろう。そして、次の人たちのためにも少しでも希望が持てるクリエイションをしよう。そんな想いを新たに。

また今日から

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戻ってきました。本当にありがとうございました。一昨年のイタリアは活版の源流を辿ることと、観光でしたが今回はより日常に近い場所へ。「“知る”ことは“感じる”ことの半分も重要ではないのです」とレイチェル・カーソンの言葉通り、文化、福祉、まちづくりと、良き出会いと、学びと実りの多い旅になりました。本当に行って良かったです。より心が大きく、そして体が軽くなったことを感じます。イタリアにあるけれど、日本にないもの。ではなく、もともと日本にあるもの、あったけど見えにくいもの。それに気付けた自分の感受性をもっと信じていこうと思います。もっと自由に、のびやかに仕事に励んでいきます。

写真は何でもない階段のくぼみ。今回、デジタルカメラではあまり写真を撮らなかったのですが、レンズを向けずにはいられませんでした。何年も何十年も、ひょっとしたら何百年も日々繰り返し誰かがこの階段を登り、次の場所へと。また誰かと誰かが腰をかけて、悲喜交々語らう為の最小の“場”を提供していたり。その凹んだ分の時間と、通り過ぎ去った人たちに想いを馳せると込み上げてくるものがありました。そうそう、そんな風に私もなりたい、と。人知れず、気付かれず、人の役に立てるような、そんな生き方ができればと思います。旅先では、街角でカフェで列車の中で店先で、至る所で、Bon viaggio(良き旅を)!と声をかけられました。 il grande viaggio della vita!
grandeは素晴しさ、viaggioは旅、そしてvitaは人生。ほんと、人生は素晴しい旅ですね。悲しみも喜びも受け止めて前に歩んで行きます。

終わりの始まり

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一昨年、思いがけない依頼がありました。それはブックジャケットを全校生徒に贈りたいと九州高校の理事長さんからの依頼でした。幸福感に包まれた一日を過ごし、それから地道にコツコツ制作して2,000部、無事に納品を終えていました(経緯はこちら)。 つづきを読む